04.
白狐はその日、村から姿を消した
おれはいつの間にかそこで意識を失っていて、気が付くと日は暮れて白狐も居なくなっていた
恐らく白狐は、おれが見ていたことに気付いたんだろう。
そして、白狐はこっくりさん≠ノなったらしいと風の噂で聞いた
あれから数年経って、漸く獄卒の館にいるらしいという情報を手に入れて
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「会いに来た、というわけだ」
この水色の目をした男は、ずっと黙って聞いていてくれた
「白狐がおれを見て倒れたのは、恐らくトラウマだ。
……あと、おれのことを恨んでいるんだろう。きっと」
「……閑馬、話してくれてありがとう」
「別に構わん」
と、その時。
騒々しく扉が開いて、先ほどまでこの部屋にいた男2人が入ってきた
「佐疫、ここに白狐来てねぇか」
「え、来てないけど……居なくなったの?」
「あのな!!なんか眠くなってさ、俺寝てたんだよ!!んで田噛も寝てたんだよ!んで起きたら、白狐が居なくなってた!!」
「見ててって言ったじゃないか。何やってるの」
白狐が、居なくなった…?
「おい、テメェのせいで白狐がおかしくなってんじゃねえかよ」
橙の瞳の男がおれを睨みつけた
おれの、せいで?
頭が回らない
「閑馬、落ち着いて。
白狐が行きそうな場所に心当たりは無い?
俺達はまだ白狐と知り合ったばかりで、白狐のことは殆ど分からない
だから閑馬に聞く。白狐は何処にいるか、心当たりはないか」
「そーだぞ!!田噛はこんなこと言ってっけど、今は白狐探すこと先だろー!?」
「あ?」
そうだ、とあることに思い至る
「白狐の鳥居は何処だ!?」
「鳥居…なら斬島の部屋にあったはずだよね」
「斬島の部屋だ!!行こー田噛!!」
「チッ……」
4人で小さな鳥居の前に立ち、おれが鳥居に触れる
「おれなら、鳥居から白狐のいる場所を探すことが出来る。おれに掴まってくれ」
「わかった。平腹、田噛、閑馬に掴まって」
「おっけー!」
「あ?なんでコイツに…「いーから田噛早く早く!!」…………チッ」
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