会話文・短文(GO) (タイトル一覧)
節操ありませんので注意

カペラ(12/01/19)
 些細で取るに足らない抵抗だと思った。彼を諭しながら、心では愚かだと見下していた。
 彼らの放った波はゆるやかに広がっていく。もしかしたら、そういった類いのものに心を奪われただけなのかもしれない。気の迷いかもしれない。明日になれば、またいつものサッカーが帰ってくるのだろう。
 満足しているのか、それでいいのか。なんて訊けなかった。ただ指示に従うだけで。
 革命なんて馬鹿げている。それでも焦がれていた。俺たちが望むサッカーにもう一度会えたら。もしそんな時がきたら、一番の輝きをあいつらに見せたい。
(喜多)


○×に昼も夜もなく(12/01/10)
※幻一が若干おかま+女装 追記から

溺死タイム(12/01/10)
「へえ? そおなんだ」
「お前には関係ねえけどな」
「なくはないでしょ。後輩だもん」
「まあどのみち終わりだな」
「天河原のサッカーが?」
「違う」
「……」
「それは守る。悪くなかったぜ、なかなか」
「どこに行くの?」
「さあな。まだ処分命令は出てねえみたいだ」
「処分ってなんなのさ」
「関係ねえだろ」
「あるよ」
「はあ?」
「後輩だもん。せっかくの後輩だもん」
「俺はシードだ」
「シードでも後輩だもん。生意気言ったらゆるさないし、ほんとは先輩って呼ばれたいし、僕ねえ」
「うるさい」
「呼び捨てでもいいから隼総にいてほしいよ」
「ああ、考えとく」
「その代わり先輩って呼んでねえ?」
「どっちだよ」
(西野空と隼総)


まほろばから(12/01/04)
「命令は絶対だ」
「どーした? 急にー」
「守らなきゃいけないんだって」
「そーだなぁ。俺たちのサッカーを」
「ライモンはだめだね」
「うん、ライモンはだめだね」
「潰すよ」
「お前そんな子だったっけー?」
「にーちゃんの力が必要だ。この場所を守らないと」
「あらら? 熱くなっちゃってー」
「行こう」
「ハイハイー。弟様」
(影二と幻一)


夏は始まらない(11/12/29)
 いつまでこうしていられるのかとか。自分の役割とか。この先どうなるのかとか。
「まだ……先の話だ」
「うるせぇんだよ!」
 あいつらのこととかこいつらのこととか。自分のこととか。サッカーのこととか。
 本当はどうしたかったのかとか。
 本当は。
「ここにいろ」
 俺たちは負けた。
(喜多と隼総)


くびわ(11/12/26)
「確かに、何を言ってるんだとは思いますけど」
「だよな。くっだらねえ」
「彼は何も分かってないんですよ」
「大人しくしてりゃいいんだ」
「君はどうなんです?」
「なにが」
「今後……」
「従うっきゃねえだろ」
「それ、どっちにですか」
「フィフスセクターに決まってる。お前は!」
「……面倒は嫌いですから」
「だろ? あー、俺の不幸が全部まとめてあいつに降り注がねえかな」
「たとえば……?」
「課題テスト平均以下だった」
「それくらいならはねのけちゃいそうですよね、彼」
「だよなあ……」
(速水と倉間)


i(11/12/21)
 どうにも喜べない。まあいいかと妥協することもかなわない。まるでこちらのことを考えていないかのような物言いで彼はうまく人の不快感をあおる。
「ミセナイくーん」
「三重内」
 そう返して教科書を手に立ち上がると、彼はまるでボールを受け止めるときのようなしなやかな動きで行く手を阻む。払い除ける仕草が彼にまったくもって効果がないことは今までの経験からすでに立証されていたため、無理矢理押し退けてやった。
「ああ……ミセナイの愛が見えない」
「ないものは見えないから」
 目がよくなったんだろう。だったらもっとよく見たらいい。簡単にはミセナイけど。
(三重内と影浦)

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