Extra Cobalt Blue
- ナノ -

Nyctalopia.

※「agnello」のあいら様より誕生日の記念に頂きました!


夜も更け、誰もが寝静まる頃──明るかったカレイジャスの電気も落とされ、付いているのは誘導灯のみとなっていた。部屋からはどこからも寝息が聞こえてくるが、廊下の死角となる場所からはとある2人の息遣いがあった。他と違うところを挙げるとするなら、クロウとフランの吐息に熱を孕んでいるところだろうか。
 こうなってしまった理由は単純なものだった。幻獣退治を終え、無事に帰ってこれたことを祝うために一杯飲んでもいいだろうということがきっかけだった。最初こそフランは飲むことに渋っていたが、次の日は予定がないことやクロウの誘いもあって飲んでしまったのだ。少しだけ、と自制していたものの飲んでいくに連れフランの酔いは回り、クロウに甘えるようになっていたのだ。
 結局飲み会はバーを管理している人が部屋に戻ってしまってからも続いてしまったのだが、これが一番のミスだった。あの時一緒に自分たちも部屋に戻っていればよかったものを、2人だけになったために甘えてくるフランはクロウにとって中々に心臓に悪いものでもあった。更に酔いが回っているのはフランだけではない。耐えきれなくなったクロウはカレイジャスの廊下の明かりが消えているのをいいことに、フランを廊下の誰も通らないであろうところに誘ったのだった。


 一見、2人の服は乱れておらず何もないように見える。しかしクロウの手はフランの服の中で、そしてフランのナカにはクロウの「それ」が挿入っている。クロウがフランの突起を指で弄って転がせば、フランはびくんと身体を大きく反応させた。

「っ、んん、んぅ………!」

 しかし絶対に声は出そうとはしなかった。最初にクロウがフランの耳元で「声を出すなよ?」とお願いした通り、フランはしっかりとそれを守っていたのだ。その代わりに身体と、そしてフランの膣内がきゅっと締まり反応する。しっかりと感じるフランに、クロウの熱はまた貯まっていく。「見えない」というだけで、何もかもが興奮の材料になっていた。

「くく、ちゃんと約束守って、かわいいやつ」
「ふぁ、んぅ…!」
「っ…!」

耳元で囁く度にフランはそれに反応し、そして今回は耐えるようにしてクロウの背中に腕を回してきた。さすがのクロウもそれには熱を出しそうになり、ぐっと息を飲む。どちらも限界が近いのは同じことだった。

「も、だめ…!クロウの、ほしいの……おねがいっ…!」
「…ああ、そうだな。フランも、よく頑張ったもんな…でも、その前にちょっとだけ我慢できるか?」
「?…ひゃぁっ!」

 クロウがフランの腰を掴むと、位置を確かめるようにしてそのまま抱きかかえる。突然のことに、そしてぐっと膣内をぐりぐりと責めるクロウ自身にフランは一瞬だけ達しそうになる。それでも、クロウが我慢してほしいと言ったのだから、フランはぎゅっとクロウに掴まりながら達しそうになったのを耐えた。
 ここまでフランが頑張ってくれたのだから後でご褒美をたくさんあげないとな、と思いながらクロウは乱れた衣服を整えながら自分の部屋へと戻っていく。夜はまだまだ終わりそうにはなかった。
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