REVOLVE! | ナノ
辰馬がアレで、その理由を知ったヅラもアレで、何故か美月までアレだ。変だ。何でだ。


「なあなあ高杉」

「……」

「美月おかしくね?おかしいよな」

「……」

「だよな、おかしいよな。梅雨だから?」

「……」

「お前返事しろよな!独り言みてェじゃねーか!」

「うるせェ、大声出すな」


昼飯を食い終わった後、いつものように煙草を吸いに行く高杉に着いて行って、着いたのは体育館の裏。なんてベタな場所だよオイ。


「お前も気付いてるんだろ、美月のこと」

「……」

「まーただんまりかよ…」


俺がそう言っても、高杉は黙って煙草を煙を吐き出すだけ。


「1本」


手を差し出すと、タバコとライターが乗せられた。それに火をつけて煙を吸い込む。


「はああー…。なんか落ちつかねぇんだよな、ああいう雰囲気。なんなのアレ」

「…アイツ等がおかしいからだろ」

「美月もなんかおかしいって気付いたってことか?」

「じゃねェの」

「じゃねぇのってお前、そんな他人事みてーに」

「他人だろ」

「まァ…そりゃそうだけどよ」


ザアザアと降りしきる雨に靴先が濡れることに気が付いて、短い屋根の下に身を寄せる。


「何で辰馬は美月のことが好きな訳?」

「お前の口からそんなこと聞くとはな」

「なんでだよ、そんな変なことか?」

「お前だって、アイツのこと好きだろ」

「、なんで」


無表情の高杉からの返事は無かった。

いつから気付いてたんだ。でもそれを聞く気にはなれなかった。コイツもきっと、アイツが好きだから。



【7:ざあざあ】


「しけてんな、この煙草」
「オメェの顔もな」




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