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5.


しゅっ。

と額をリセッチュで打ち抜かれたのが5分前。

物理的には霧状の液体は俺をすり抜けたが、匂いはなぜか俺にまとわりついていた。

幽霊は物質に触れられないはずなのに、このクーラーといいリセッチュといい…。不思議を通り越して開発会社を本気で尊敬する。

で、いまだにクーラーから抜けられない俺と、関心した眼差しでリセッシュを見る真木。

「噂は本当だったか」

「お前、霊感あるの?なんで俺と話せるの?見えるよね、見えてるよね?なら助けて!」

「ファブたんも除霊作用があるのか?試してみてぇが、…買いに行きたくねぇ。チッ」

「いや、除霊作用があるんじゃなくて俺個人が苦手。生きてた時からその香りは無理。てか、言葉のキャッチボールをしよう?今やってるのドッチボール、俺避けられてるから!」

「あ?」

「ひっ、」

チャキ、とリセッチュを構える真木。

消臭剤なのに銃みたいに使うのやめてほしい。しかも、俺なら中二病認定になって一瞬で黒歴史にインするのに、顔だけは壮絶イケメンな真木なら問題ない。チクショウ、イケメンめ。

「イケメンなら何やってもいいのかよ!?」

「現実はそうだけど?」

当たり前の顔で返しやがったよ、こいつ。

誰だよ、雑誌のモデルみたいだって言ったの。…俺だよ。でも、追加する。外見はモデル系完璧イケメンだが、中身は何様俺様魔王様系性悪野郎だ。典型的な色白腹黒である。

あれだ、付き合ったら呪いレベルの不運が降りかかってくるタイプ。今までは異性の角度でしおりちゃんに好意を抱いていたが、今はお母さん的角度で心配だ。逃げて、しおりちゃん。

真木が片手でリセッチュをクルクルする。

よく映画で銃をクルクル回すあれだ。画面的な問題以前に中身の液体が入って重心の取りにくい物理的な問題が存在するが、真木がやればどちらも大丈夫。俺はもう何も言えない。

リセッチュクルクル系イケメン、誕生だ。

初めて聞いた、初めて聞いたよ。

「で、てめぇは俺の助けが必要なんだ?なら、人に物を頼む態度で誠意ってのを見せろよなァ」

「助けて真木ちゃん」

「ああ?てめぇ、今度真木ちゃんなんて呼びやがったらゴロジェッターでぶち抜くぞ」

「お前絶対あのバルシャンわざとだろ!!」

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座右の銘:リア充爆発しろ。
現世への未練:イケメン滅ぼす。