6.※
「ァ、ふ…ぅ、っは、」
こんな声、出したくない。
なのに、息をする度に漏れてくる。鳴かされる、その表現が一番的確なのかもしれない。
恥ずかしくて自分のシャツの襟元を噛んで声を殺していれば、清宮の気配が不機嫌になるのが分かった。下を攻める手をそのままに、胸で遊んでいた手が歯列を割って口に侵入してくる。
「聞かせろ、コウ」
長い二本の指が口の中で暴れる。舌を絡めて軽く引っ張って、内側をくすぐるように優しく触れる。戯れる指に、俺もいつの間にか自分から甘噛みしたり吸っていたりした。
そうすると口を閉じられないわけで、閉じられないまま唐突に下の愛撫が激しくなった。
「あぁっ、慧…!ンっ、はぁ…ッ、あ、」
「それでいい。綺麗だから恥ずかしがんな」
激しく上下に擦られて、痛みを感じない程度に先端を掴んで爪を立てて、撫でるような優しさを一瞬見せた直後に全体を強く揉まれて、強烈な快楽で理性を奪おうとしてくる。
清宮の指を噛まないようにするので精一杯で、声を我慢できるはずもなかったんだ。
「け、い、っ!激し、ん、…っ、」
「イけ」
強制的に追い詰められる。
いつの間にか指は口から出ていったのに、熱と艶を帯びた声が止まらない。乱れた呼吸が苦しくて、鼓動が速すぎて痛い。頭が真っ白だ。
清宮の指に合わせるように腰はゆらゆらと揺れていて、意図せずに快楽に背中をしならせてしまえば後ろにいる清宮に擦り寄ってしまう。そうすれば、また首筋を強く吸われた。
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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。