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2.


『あれは僕の属性の子、純血のサンダーバードさ。男同士を抜きにしても人と聖獣から純血は生まれないし、…そもそも風の魔力を持つ君から雷の子供が生まれてくるはずもない』

「言われてみれば。…サンダーバードって?」

『渡り鳥の一種さ。冬になれば北から南へと渡るけれど…、今の時期には珍しいね』

「じゃあ本当のお母さんは?」

『もう南にいるだろうね』

そう聞いて俺は何を思っただろう。

仲間というよりも、本当に我が子へのような愛情が湧いた雛を手放すことがなくて安心したのかもしれないし、渡り鳥の群れとはぐれてしまったあの子を心配したのかもしれない。

それはとても複雑な感情で、けれど、とても矛盾した感情でもあって、いろいろなものが混じりあった中でただ一つ断言できるものがあるとすれば、俺は確かにあの雛に愛情があった。

『傍に置くつもりかい?』

「…必要とされる限り」

『…もし、群れと合流した時は?』

「その時は、」

その時は、…どうなんだろうか。

言葉に詰まった。言葉を用意していなかったし、考えてもそれは出てこなかった。

あの雛は俺を慕っているし、懐いてくれている。だが、それはたまたま孵化してから初めて目にしたのが俺だからであって、本来なら本当の両親の元で過ごしていただろう。兄弟だっていて、楽しく元気にしていたかもしれない。

本来なら俺の元に来るはずじゃなかった。だが、来てしまったなら当然愛情が湧くし、また別れを迎えるのは切なくて、苦しいんだ。

だが、それでも、

「その時が来てしまったら、…黙ってあの子の望む道に送り出すことを約束するよ」

彼の選択を優先しよう。

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王には世界を守る義務がある。
そして、俺にとっての世界は君である。