囚ーtorikoー | ナノ






身体を駆け巡る甘い熱がナルトを苦しめる。

「ん、っ…く」

女が中々、ナルト自身を開放してくれずにその先端を指先で封じ込めて舌で指先で執拗に攻めたてていた。

『教えてあげようか?』

それが、始まりの合図だった。
女がナルトの秘めた快感を身体の奥から呼び覚ました。
決して、傷つけるものではなくて快感だけを与えるそれはカカシから教えられたとはいえ……まだ楽しむほどには慣れていない。
ただただ女に翻弄される、それだけだった。

「ふぅっ、くっ」

腰がもどかしく動く。小刻みに背中に震えが走る。そのたびに熱は外に逃げていかず、更に奥深くに溜まっていく。
女の頭を力なく掴んで、どうにかして欲しいと訴えたがナルトへと更なる熱を呼び込んだ。
「あ、……ぁぁ、ぅ」

途切れ途切れに荒い息が唇から漏れ続ける。
それすらナルトには辛いのに。

「…っ!」

熱い舌で包まれた自身が突然、外気に晒されてピン、と自身が跳ねた。
突如、襲った外気の冷たさに思わず目を身震いする。

「…ぁ、」
「気持ちいい?」

その言葉に息を吐いてうっすらと涙に滲む瞳を下に向ければ、女の欲望に濡れた黒い瞳に自分が映っている。

「ねぇ?気持ちいいかい?」

再び囁かれる言葉に半ば意識が飛びそうになっているナルトは頷いた。

「イキたい?」

ねっとりと潤む視線を感じてナルトは震える。
付け根にはまだ女のほっそりとした指先が絡みついて、熱を吐き出すことができない。

「ぉ…願い、」

掠れて切ない声がナルトのその唇から吐き出される。
素のナルトなら絶対いわない言葉。
けれど、今は荒れ狂うこの熱を吐き出したくて、吐き出させたくて。それ以外もう、何も考えられない……

「イカ、して……っ?!」

懇願した。すっ、と女の左手がナルトの汗ばむ頬を撫であげる。
ぞくりと過敏に反応する。

「アンタ、すごい可愛いこというねぇ……じゃあイカせてあげる。」
「あっ、あ…っん、」

女の絡みついた指先が、ナルト自身を弄ぶ。
背中を一瞬、仰け反らせてナルトは喘いだ。

「あああ、っ」

次の瞬間には熱いものに包まれる。
指先とねっとりとした舌で執拗に弄られて攻められて煽られ、頭が真っ白になる。

「は、っんぅ、あぁぁっ」

堪えるように女の頭を抱えこみ、ぎこちなく腰を上下に振った。女の口腔内は濡れて狭く突き上げる度に気持ちがいい。
奥深くもっと突きあげたい。そんな衝動を抑えきれずに腰を強く振った。
(あ、もぅ、ダメだってば、…よぉ)
もう何も考えられない。
身体を駆けずり回る熱が一点に集中していく。

「それぐらいでやめてくれない?」
「!?」

突然、かけられた言葉に弾かれた様に女が顔を上げナルトへの行為をやめた。

「…っ?」

イケそうでイケない中途半端な状態にナルトが、非難するように女を見た。
女が不安げに部屋を見渡している。ナルトも呆然とそれに合わせるように部屋を見渡す。薄暗い部屋を見渡すが誰もいない。

「だ、誰だい…?」

不安げな声音で女が問いかける。
今の今まで自分達しかいなかったはずだ。
ましてや自分の家で別の誰かの声がすれば第三者がいるとしか考えられない。
女は不安と緊張感を漂わせて、様子を窺う。不気味な沈黙が続く。
すると薄暗い部屋の中で一部分、影がゆらりと動いた。

「な、なん…っ」

ナルト達が見ている前で徐々に影が存在を示して人形を形づくり、現れる。
女が慌ててナルトにしがみつく。

「ごめーんね。お楽しみのところ邪魔しちゃってサ?」

聞き様によっては馬鹿にしている様な軽い口調と共に現れたのは長身の男。
誰でもその名とその姿を知りながらも口を閉ざす……木の葉の隠れ里の上忍。


はたけカカシ、だった。






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