吊られた男の物語

甘露のような一時

このクラスはおかしい。


姫路光を中心とした盲目の騎士。



――――ああ、騎士なんかじゃなくてただのクズだった。




















「つまらん」

「巡くぅん?どうかしたのぉ?」








玖渚機関の雑用の方がまだ楽しい。


こんな授業なんて受けてる意味なんて皆無、お遊び以下だつまらん眠い下らない本当にもうああいやだ帰りたい。


舌打ちすれば、俺の機嫌を取ろうとしたのかオヒメサマがやってくる。


笹川京子がいないのがこんなに苦痛だったとはな・・・



鼻が曲がりそうな異臭にも慣れてしまい、彼女にくっついてやってくる山本や獄寺の鋭い視線にも柔らかなモノが含まれるようになった。


仲間意識ってやつ?
オヒメサマを守ろうぜ!!みたいな?


実に下らないねェ、ままごとみて―なもんだぜ?
あ、人形遊びの間違いか。







「哀川、どうした?」

「保健室行って寝てくるわ、邪魔だからついてくるなよ」








Dr.シャマルでもからかってやろうと席を立ち、教室を出る。


先生とやらが何か言っていたが、後で適当に言い訳しておけば問題ないだろう。


そういえばまだ風紀委員長に会ったことがないのだが、本当に存在するのか?


いやたまたま遭遇しないだけか、どんだけ応接室に引きこもってんだよ。授業でろよ、まだ義務教育なんだから。


















ガラッ




「男は診ねぇ、どっかいけ」

「ほぉ、仮にもこの俺に向かって言う台詞か?シャマル君よぉ」

「あぁん?・・・誰だ?お前とは初対面なはずだが」

「いや、何日か前に保健室殴りこみに来たんだが・・・あぁ、覚えてないな。君確か俺が蹴り倒したドアの下敷きになってたから」

あれお前だったの?

「覚えてんじゃん」

「忘れるはずもねぇ・・・俺が子猫ちゃんと戯れてる時に乱入してきたいけすかねー男!!!」

「聖なる職場で盛るテメ―が悪い」















ぴしゃん、とドアを閉めてそこら辺にあった椅子に座る。


苦虫をかみつぶしたような表情のDr.シャマルがいたが、ところ構わず女に現を抜かす馬鹿が悪い。

はん、と鼻で笑って保健室内を見まわした。


消毒液の匂いは好きだ。












「何しに来たんだ、人類最上」











ぴり、と張り詰めた殺気が肌を舐める。

温いなぁ、こんなもんで裏の世界に入ってこれるなんて随分とレベルが下がったものだな。
















「お前達に引きずり出されたんだ」

「人類最上が出てくるような問題がここにあるとは思えねーけど。並盛だぜ?平々凡々な徳に秀でた特徴もない餓鬼どもが集まる学校。しかもボンゴレだっているんだぜ?」

「次期ボンゴレがいるからだ」









そう、綱吉君の存在。










「彼の血は存在するだけで脅威になる。ボンゴレが代々血の繋がりを守ってきたのはそういう意味もあるだろ?俺は、オヒメサマから勇者を救いに来た魔王ってところだ。楽しいパーティには誰だって参加したいだろ?甘い蜜を啜りながら大事に大切に守られているオヒメサマの箱庭を、ぶち壊しに来たと言ってもいい」

「姫路光か?」

「・・・なんだ、お前の頭はまだ腐っていないのか、安心したよ」











くくくっ、と喉の奥を震わせる。














「生憎、俺は人類最強のように甘くなくてね」


































人に優しく自分に甘く。
べろべろに甘やかされた餓鬼に灸を据えるのも良し


Modoru Main Susumu
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