2010、夏祭り:-one-ラブモード6


「は……っ、んうっ」

 熱い奔流が中を埋め尽くしていく感触に、たまらなくなって声を漏らすと、さらに陸が腰を強く押し付けた。

「今の声、すごくセクシー」

 チュッと音を立てて陸に耳を座れ、身体の奥がキュンとなると、今度は陸が切なそうな溜息を漏らした。

「今のは……、きた。待ってて、すぐに二回戦へ……」

「待って、陸」

「なに?」

「続きは部屋じゃダメ? ここだと、その……」

 麻衣は顔を起こして窓の外に視線を向けた。

「ダメ?」

「あのね……次は私も一緒に……、でもここだと……」

「達きたくても達けない?」

 頷くと陸は急に嬉しそうな顔をして身体を起こした。

「速攻帰る! 帰ってから気が変わったはナシだからね! 約束だよっ!」

 陸が身体の中から出ていこうと腰を引くと、中を埋め尽くしていたものが足の間を伝った。

「や……どうしよう。溢れてきちゃう」

 これ以上溢れてしまわないように力を入れると、まだ中にいた陸に苦しそうに呻いて肩を強く掴まれた。

「やっぱり、ここでしちゃダメ? そんなに締め付けられたら……離れられないよ」

 からかうというより、楽しんでいるみたいに、わざと腰を揺らされた。

「もう、陸っ! 早く出てってば」

「だ・か・らー、麻衣ちゃんに締め付けられて無・理」

「陸がいっぱい出したせいでしょ? ああ、もう……っ、強く揺すらないでってば! それ以上したら、帰ってもナシ!」

「それは、やだ」

 陸が素直すぎるほど、急に大人しくなってしまった。

「出るね、ゆっくりするから。ねぇ、麻衣……部屋に着くまで零しちゃダメ。我慢してて、帰るまで。じゃないと、下着だけじゃ済まないよ?」

 今度はゆっくりと出ていく陸の言葉に意地悪と言い返そうとしたけれど、零さないようにすることに精一杯で声は出なかった。

 身体を離した陸は運転席に戻ると、ゆっくりと身体の向きを変えてシートを起こした。

 力まないといけないせいか不自然になってしまう動きで浴衣を簡単に直す横で、いつの間に身支度を整えたのか陸がハンドルを握ってシフトレバーに手を掛けた。

「急いで帰る! 麻衣がお漏らししたら大変」

「りーく!」

 子供みたいに声を立てて笑う陸がアクセルを踏み込むと車は急発進した。

 マンションまでの道のりはまだ半分以上、間に合わなかったらどうしようと、真剣に考えていたら何だか可笑しくなってきた。

 一人で帰って来た電車の道のりはあんなに気が重くて堪らなかったのに、二人で一緒にいられるだけでこんなくだらないことを真剣に悩んでしまう自分がいる。

 車が国道の流れに乗る頃には我慢出来ず、笑う声を我慢出来なくなると陸に手を握られた。

「なーに、笑ってるの?」

「陸と一緒にいると幸せだなぁと思って」

「当然! 麻衣は俺と一緒にいないと幸せになれないんだからね」

 二人の住む街へ二人で暮らす部屋へ、二人きりで過ごす大切な週末を取り戻すため、車はさらにスピードを上げた。

end
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