04 幼馴染み
「…そうだ祐希。後で春と要にも奏歩を紹介しにいかなきゃね」
「えぇー、やだよ。奏歩を要なんかに会わせたら汚されちゃうよ」
悠太さんに引き剥がされた祐希さんは、「じゃあ後ろからならいいでしょ」と、今は私に後ろから抱きついている
「後ろからなら…」、と渋々首を縦に振った悠太さんに内心、前からも後ろからも対して変わらないだろうと思ったのは秘密
悠太さんは頼れるお兄ちゃんだけど、きっと天然さんなんだろう
まぁ、それは今の私の状況にはあまり関係の無い話なのだが。
先程もお伝えしたが、祐希さんが後ろから私を抱き締めている、つ ま りは、だ。私は必然的に祐希さんの足の間にいなくてはならない
…恥ずかしい、とてつもなく
残念ながら彼氏がいない歴と年齢が一緒な私はこんな経験をしたことが、無い
ましてやこんなイケメンさんと至近距離でいたことも無い
とりあえず私は顔には出てないけれど、心の中ではパニクりまくっているのだ
「あー、そうだね。要に会わせるのは危ないかもね」
「そうだよ。奏歩に赤ちゃん出来ちゃうよ」
赤ちゃん出来ちゃうって…、要さんとやらはそんなに子供が大好きなのか!?見るものすべてを赤ちゃんをあやすように愛でるのか!
「…お二人の幼馴染みさん、ちょっと会ってみたいです」
「えぇー、」
と後ろから不満の声が聞こえたかと思うと、かくっと私の肩に祐希さんの顎が当たった
その綺麗なお顔のこれまた綺麗な眉毛が少し嫌そうに潜められていた
「なに?奏歩、俺たちだけじゃ不満なの?満たされないの。…こんなに愛しているのに…」
「…ごめんなさい祐希さん。私も貴方を愛してる、だけど、だけど…!」
「…奏歩っ!」
「祐希さんっ!!」
体制を変え、真っ正面から抱き合う。…うわ、髪の毛ふわふわのさらさらだ、
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