01 お昼
お昼休みにみんなで屋上でご飯タイム、なのだけど…
風が異常に強いせいで砂ぼこりが半端じゃないです。
「うわぁぁあ、砂すご」
「うっせーよ。奏歩」
おかずが砂まみれで苛々してる要に八つ当たりされた。ひっどいなぁ…
ずるずるっと、体を引き摺ってジュースを飲む祐希の傍へと移動する
「祐希ー、要に暴言吐かれましたよ、ちょっと」
「要はカルシウム足りてない子だからね。ボンボンのくせにね」
「ほんとやーね」
「カルシウム不足には注意だよ。要みたいになっちゃうから」
「だからこれ飲みなさい。」と祐希は前触れもなく、私の口にストローを差した
ストローが唇に当たって地味に痛かったよ。ちょっと。
ちゅるるる、と中のジュースを飲み込むと、フルーティーな味が口内に広がった。
「ねぇねぇ、祐希さん」
とんとん、といつの間にかジュースを飲み始めていた祐希の肩を叩く。
…てかストロー私が使ってたのと一緒じゃん。換えなさいよ
「なんでしょう、奏歩さん」
「りんごジュースにはカルシウム入ってません」
「…大丈夫。こう、化学反応的なのでできますよ。カルシウム」
「出来ねーよ。」
「出来ますよ。俺と奏歩の力があれば」
ぽふっと、肩におかれた祐希の手に、少しぐいっと引き寄せられる。
いきなりは危ないじゃないですかよ
「まぁ、私達の辞書には不可能と言う言葉はありませんからね」
「お前の辞書には、溢れてる言葉だろうが」
額に手を当てて「やれやれ」とでも言いたげな要。失礼な。
「私達の辞書に無いのは"やる気"ですから!」
胸を張って言えば、「そっちのが困るよね」と悠太が小さく呟いた
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