02 春(2)
「見て!桜満開!」
「奏歩騒がないの。転ぶよ」
「だいじょーぶ!」
入学式は満開の桜に囲まれて行われた。
どこでも変わらない、つまらない校長の長い長い話。
だけど隣に同じクラスになった祐希がいたから、楽しかった。
入学式からの一年間は目まぐるしく過ぎていった
皆で屋上でお昼ご飯を食べて、休み時間にはだらだら話して
悠太と春ちゃんは茶道部に、要は生徒会にそれぞれ入って
私と祐希は部活に入らないで帰宅部を楽しんで
祐希はその格好よさから女の子にモテモテで
祐希とやんちゃして悠太に心配されたり
祐希と一緒に要をからかって要を怒らせたり
自分より女子力高い春ちゃんに、自分が悲しくなったりしながらも、春ちゃんとお菓子作りをしたり
悠太に甘えまくってみたり
そうして過ぎていく時間とともに、出会ったあの日からずっと増え続けていく私達の思い出
そうして、私達はついに高校生活の二年目に突入しようとしていた。
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