12 意気投合
立って話してるのも何だからと、近くにあったベンチに座って話をし始めれば会話が弾む弾む
出会って五分にして私はこのおにーさん、あきらさんとの友情を手に入れました。
「奏歩ちゃんはどうして迷子になったの?」
「風船を貰おうとうさぎさん追いかけてたら、迷いました」
「そうなんだ、見た目と一緒の小学生らしさだね!」
「あきらさん、私一応この春高校生になるんですが」
「うそだー、こんなに小さい高校生いないよ!」
無邪気な笑顔で私の頭をぽんぽん撫でてくるあきらさん。
どうしよう、言われてることうぜぇけど、うぜぇんだけど、…可愛いから許すっ!
でもいちいち「小さい、小さい」って無駄にリズムつけて言うの止めてぇぇえ!傷付く!!
「ねぇねぇ、奏歩ちゃん」
あきらさんはぽんぽんを止めると、何かを思い付いたように笑う。そして人差し指をぴんっと立てた
「なんですか?」
「そのうちにこーちゃんがボクたちを見つけてくれるから、それまで遊んでよっか!」
「え、でも」
私はこーちゃんさんに発見されても意味無いんですけど…。
てかあきらさんと話してて忘れかけてたけど、私は探す側の人間じゃないか!
一人唸る私をたたみにかけるようにあきらさんは微笑んだ
「遊んでたら見つかるかも知れないよ?ついでに今ボクは機嫌がいいから、アイス奢ってあげちゃうよー?」
ほら、とあきらさんが指差す先にはアイス屋さん。
…あぁ、アイス食べたい、よだれが出そう
「どうする?奏歩ちゃん?」
ごめん、祐希、悠太。私は負けました。
アイスにじゃないよ!?あきらさんの素敵な笑顔にだよ!勘違いしないでね!!アイスにつられたわけじゃないから!
「ぜひ!行きます!行かせてください!!」
しゅばっと手をあげれば、あきらさんは私の反応に満足したのか、また笑った
「うん、いい返事だねー」
と。
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