06 メリーゴーランド



春ちゃんの意見により、遊園地に来て最初にメリーゴーランドに乗った


最後まで乗らないと拒否し続けた要を、祐希が無理矢理乗せて、みんなで乗れたのはいいのだけど


これがなかなかに面白い光景になっている


輝かしい笑顔で白馬に跨がる春ちゃんは、まるで白雪姫みたいな感じに見える。てか背景がもはや花畑状態だ。…写メりたい…!


反対に黒い馬に乗っている要は、怒りからなのか、羞恥からなのか顔を真っ赤にしている。これが面白すぎてヤバい。写メはもちろん撮りまくりましたとも


そして、「わー」とか言いながら乗っている祐希は正に、あれだ。白馬の王子様的な感じだ


メリーゴーランドの近くを通って行く、お姉様方が顔を真っ赤に染めて祐希を見てるしね


小さい女の子も祐希をみて、「わぁ…本物の王子様…」と感激している


おーい、騙されちゃいけないよー?王子様は見た目だけよー?


で、私はというと、悠太と一緒に馬車に乗ってます。たまにあるよね馬以外の物体。


向かい側に座っている悠太が、窓の枠に腕を乗せて外を眺める姿のかっこいいこと!見惚れちゃいますよ


「うーん、いいね」

「何が?」


ひとりごとのつもりで呟いたんだけど、しっかり返事をくれる悠太。あぁ!いいよその優しさ、好きだ!!


「皆でメリーゴーランド。面白い」

「…要とか?」

「うん!」


ぐっと親指を突き立てれば、何故かその手を握られる。えっ?何、何?


「要、似合うけど似合ってないとこが面白いよね。」

「そうそう!春ちゃんと祐希は色んな意味で似合いすぎてる」

「うん。そうだね。…指相撲しよっか」


…え、どうして指相撲?流れ的に全く関係ないよね。と思ったが、ぐっと強く握られた手に思い出す

そういえば、手握られてたんだっけ。…なるほど、さっきのは指相撲する、の合図だったって訳か、流石悠太!


とりあえず、指相撲をしたけれど、メリーゴーランドを降りたときに「何してたの」って聞かれました


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