04 ご機嫌直し
不機嫌そうに膝を抱えて、ゲームをしている祐希。…可愛い。なんかこっちきてから可愛いしか言ってない気がする。
口癖になりそうだな。…でもいっか。本当に可愛いんだから
「祐希」
「…なんですか」
振り返ろうともしない祐希。悠太は「放っとけば大丈夫」って言ってたけど本当に大丈夫かこれ
負けんな私。ここに来たからにはやるしかあるめぇよ。…本当は今すぐ逃げ出したいくらい祐希さん怖いんですけど!
「さっきの福引きでね、遊園地のチケット当たったんだけど、一緒に行きませんか…?」
「…行く」
…おぉ!?今の台詞じゃわからないだろうけど、祐希くんすごかったんですよ、動きが!
ぶんっ!って音をたてて振り返りました。素晴らしく俊敏な動きでした
「よかった。じゃあ今週の日曜日でいいかな」
「うん」
若干機嫌が良くなったっぽい祐希に一安心。
早速悠太にも報告してこなくちゃね、祐希の機嫌が良くなったよって!
確か悠太は一階にいたはず!(ちなみにここは二階です)
いざ悠太の元へさぁ行こう!
…あれ?足を動かしてる筈なのに、体が前に進まないんだけど。なんで?足めっちゃ動いてるんだけどなんで?てか腕痛いんだけどなんで?
もしかして心霊現象的なやつ、うわー、やめてよちょっと。そういうの得意違うの
「奏歩さん、」
「なんでしょうか、祐希さん」
一人で必死に足を動かし続ける私に、のんびりと声をかける祐希
「腕見てみたらいかがでしょうか」
「いや、駄目です!見たら私は戻れなくなる気がする」
「大丈夫です。俺が引き戻してあげますから」
「…約束ですよ?祐希さん」
「もちろんですよ。奏歩さん」
「わかりました…」
すぅー、はぁー、すぅー、はぁー、はぁ……。
深呼吸をして決意をして振り返ると…、祐希くんが私の腕を掴んでいました。
「…祐希さん、何してんですか」
「奏歩さん、悠太のとこ行くんでしょう?」
「うん」
「じゃあ、ゲームしよう」
…意味わかんないんですけど。
悠太のとこ行く=ゲームする
ってどんなんですか。祐希さん
このあと、やると言うまで腕を離してくれない祐希と一緒にゲームをやったのは言うまでもない。
…ちなみに全敗。祐希ゲーム強すぎるんだよおおお!
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