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『出来た!!』

「へっ!?」


メリーさんの声に目を覚ますと、そこには完成した琴があった


『良かった、まだ間に合うぞ』

『アカガネ?どうしたのです。一体何の…』


ガザガザガザと周りの木が、葉が揺れる


『アサギ行っておいで壬生様の所へ。今ならまだ磯月の森への道が開いている。』


アサギが驚いているのがわかる。

――ねぇ、アサギ。君はこんなにもアカガネに想われているんだよ


『――…行っておいで、アサギ。そして壬生様にもう一度――…』


ガザッ、再び葉が揺れたときだった


『…たぞ、見つけたぞ!約束だ約束だ腸をもらいに来たぞ人の子』

「!?」

「お兄ちゃんっ!!」


草むらから飛び出してきた妖はお兄ちゃんに飛びかかっていく、助けなくちゃ――っ!


―ザッ


「アカガネ…」


アカガネがお兄ちゃんを庇う。その反動で琴が落ちる。

もう反射だった、自分でも気付かないうちに落ちていく琴に手を伸ばす

―アサギの琴が、メリーさんの大切な――…!


「菜和!?菜和ー!」



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