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黒ニャンコを追いかけて着いた先は森の奥深く。
そこでニャンコ先生の知り合いの『紅峰』という妖に出会った。
紅峰に黒ニャンコのことを聞いてみたところ、どうやら今夜この森で行われる飲み会の会場で見かけた、と言う。
友人帳を取り戻すためには会場に行かなくちゃ…、
「紅峰さん、そこへおれ達を連れていってくれないか」
そう頼むと紅峰さんは表情を歪める
『正気かい?人の子が行けばすぐに食われてしまうよ。夏目』
「ならば妖に化けていくお願いだ」
友人帳にはたくさんのまだたくさんの妖の名が残されている。もし、悪く使われたりなんかしたら――…
「おれにはどうしてもあの猫を見つけ出さないとならない責任があるんです。」
『…よし、夏目の若さま。連れていってさしあげましょう。』
紅峰さんは愉しそうに微笑みながら言った。
―もし人の子とばれたら皆の肴になって頂きましょう。と
***
妖に化け、飲み会に参加すれば皆が『主様』について楽しそうに語り出す。
しかしそれはある一言で変わった。
『ついに憎っくき人間共が主様を封じた場所がわかった!今こそ仕返しの時だ!今宵夜襲をかける!』
一気に騒ぎ出す妖たち
…どうすれば止められるのだろうか、家人を襲おうとするのを
『所詮人ごときに出来ることなどたかが知れている』
そして、思い付く
「―そうだな、けれど…さいわいおれにはお前の言葉が聞こえるよ。ここにいる妖のも。そして人の言葉もだ隔てなく。これは力になりはしないだろうか。―…あっ」
ふと視線を落とした先には黒ニャンコがいた。追いかけて捕まえて、友人帳を取り返した
黒ニャンコにどこか違和感を覚えて紅峰さんにさぐってもらうと、黒ニャンコは…
―招き猫に封じられた主様だった
主様が見つかった以上妖たちが人を襲う必要など無くなった、しかし招き猫の姿では主様だとはわかってはもらえない
「―主様、名を返します。だからどうか皆を止めるのに力を貸してください」
ここで一つ問題があった。主様の名がわからないのだ。紅峰さんも主様の名を知らなかった
名さえわかれば、止められるのに――…!
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