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お風呂から上がってニャンコちゃんを抱えたままお兄ちゃんの部屋へ
そこにはまたそわそわしているお兄ちゃんがいた。
「…お兄ちゃん?」
声をかけると驚いたようにお兄ちゃんの肩がびくりと跳ねた
「あ、ありがとうな菜和…」
「?うん、はい」
黒ニャンコちゃん綺麗になったよ。と渡せばお兄ちゃんは不思議そうに黒ニャンコちゃんを見た
「黒いの落ちてないな…」
「もとから黒いニャンコちゃんなんじゃないのかな…?」
つんつん、と黒ニャンコボディをつつく。…うん、やっぱりニャンコちゃんとは違う…
「とりあえず一晩様子を見てみるよ。拗ねてるだけかも知れないしな」
「うん、」
じゃあ後はおれに任せて菜和は寝ろ。お兄ちゃんのその言葉に頷いて部屋を出た
ぺたぺた廊下を進んでいけばニャンコちゃんが歩いてきた今度は白いいつものニャンコちゃん。
「お、菜和ではないか」
「ニャンコちゃん、おかえり」
「ただいまー」
屈み込んでニャンコちゃんの頭を優しく撫でる
「ニャンコちゃん、お兄ちゃんのことよろしくお願いします」
「わかっている。私がいれば何も心配は無いと前にも言っただろう?」
「ふふ、そうだね」
「本当にお前は昔から変わらないな。いい加減その心配性どうにかしろっ!」
「心配性なんかじゃないよ?」
「いいや、そうだ。しかも重度のな」
「気を付けます」
笑ってニャンコちゃんとバイバイ。
お兄ちゃんが無事で、黒ニャンコちゃんの思いが叶いますように…
誰もいない静かな廊下。
がさりと、外で音がした
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