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次の日、起きてきたお兄ちゃんはもう元気になっていた。

安心したのも束の間のこと。

お兄ちゃんに背後には、昨日お兄ちゃんを倒れさせた原因である妖がいた

最初はお兄ちゃんに憑いていたみたいだけれど、ニャンコちゃん辺りに剥がされたらしい

お兄ちゃんをあんなめに遭わせたくせに、なんで付きまとうんだろう

もやもやとした黒い何かが心を覆っていく。

追い払ってしまいたいけれど、そんなことしたらお兄ちゃんを困らせることに繋がってしまうだろうし、私もここにはいられなくなってしまう

ただ、ため息だけが漏れた


***



「菜和、どうしたんだ?最近元気無いみたいに見えるけど…」


心配そうな顔をした要くんが、私の顔を覗き込んだ

一瞬、どきりとしたけれど、そんなことないよって要くんに向かって笑いかけた

実は要くんとは八ッ原で知り合ってからこうしてたまに会って、話すようになった

だから今日も話しに来たのだけれど、会って早々そう聞かれてしまった

そんなに顔に出やすくなってるのかな…?

いまだに心配そうな顔する要くんに、大丈夫だよって笑って、いつもみたいに他愛ない話をした

その間もずっと要くんは、私をどこか心配そうな顔で見ていた

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