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「はぁぁぁぁあ」
大きなため息を吐きながら、お兄ちゃんは畳に倒れ込んだ
理由は簡単。最近中級の妖がお兄ちゃんに付きまとっているからだ
ちなみに今はいない。白銀に追い払ってもらったから。
お兄ちゃんが疲れきっているのは見ていられないからね
「お兄ちゃん、大丈夫?だいぶ疲れてるみたいだけど…」
「大丈夫だよ…」
見るからにぐてりとしてるくせにそんなことを言うお兄ちゃん。誰が見たって大丈夫じゃないでしょうが
「妹である私にそんな嘘が通じるとでも?」
「いや、その…」
にっこりと微笑めば、ちょっと顔を青くするお兄ちゃん。
ほらほらそんなに顔色悪くしちゃって
「今なら特別膝枕キャンペーンですよ?お兄さん」
「は、え、おい!?」
ぐいっと無理矢理お兄ちゃんの頭を掴んで私の膝の上に乗せる
驚いてるんだか恥ずかしいんだかでお兄ちゃんの顔は真っ赤になっている。トマトもびっくりみたいな
「ふふ、お兄ちゃん真っ赤」
「…うるさい」
さらっさらのお兄ちゃんの髪の毛を指に絡めるようにながら優しく撫でる
それに少しずつ目を細めていくお兄ちゃん。その可愛いこと、可愛いこと
「…菜和」
「んー?」
「…お返し楽しみにしてろよ」
「…遠慮しときます」
眠る前のお兄ちゃんの少し悪戯そうな笑みに、胸の奥がきゅん、と締め付けられた気がした
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