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「なかなか見つからないな…」
疲れた体を畳に倒して呟いた。ツユカミさまの書いた絵を使って妖を探しているけれど、まだ見つけることはできないでいた
「なんだ夏目、だらしない奴め!」
ぐてりと横たわるおれをニャンコ先生がべしべしと叩いてくる。
疲れてるものは疲れているんだ仕方が無いじゃないか
「うるさいぞ、ニャンコ先生」
ニャンコ先生の首元をつまみ上げて、ぽいっとおれから離れたところに投げる
『おや、夏目。疲れているのかい?』
「あぁ、まぁな。でも大丈夫だよ」
『じゃあ、特別にこれをあげようか』
「え?」
ツユカミさまはごそごそっと袖に手を入れると、飴を一つ取り出しておれに差し出した
「飴…?」
『あぁ、最近よく来てくれるお嬢さんがいつも置いていってくれるのさ。』
私のお気に入りなんだが、夏目にもお裾分けしよう。ツユカミさまがおれの手のひらに赤い飴玉を乗せた
袋を開けて口に入れれば、甘い飴玉特有の甘さが口内に広がる
『甘いものは疲れがとれると聞いたんだ』
「ありがとう、ツユカミさま。」
真っ赤な飴玉が、口の中で転がりカラン、と音をたてた
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