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夜中まで続いたニャンコ先生と露神のどんちゃん騒ぎのせいで、寝不足の頭を無理矢理に覚醒させる
思わずもれそうになる欠伸を噛み殺しながら、居間に向かえば朝ご飯の用意を手伝っていた菜和が「おはよう、お兄ちゃん」と笑った
おはよう、菜和。と返して椅子に座る。今日の朝ご飯も美味しそうだ。
お箸を手に持ち、いただきます。と呟いて味噌汁に手を伸ばしたとき、いきなり菜和が笑い出した
「どうしたんだ、菜和?」
「ぷっ、あはは」
菜和は楽しそうにおれを見て笑う。菜和の笑い声にやってきた塔子さんまでもが「あらまぁ」と言って小さく笑った
訳がわからないまま笑う二人を見ていると、菜和がそっとおれの髪の毛に触れてきた
瞬間に、どくっと心臓が脈打つ。
「お兄ちゃん、寝癖ついてるよ」
「え、あぁ!?本当だ…!」
触れてみれば確かにところどころの髪の毛がぴょこぴょこと跳ねている。
これを菜和と塔子さんに見られたなんて恥ずかしすぎる…!
「遅刻しちゃうからお兄ちゃんはご飯食べてて。私が直しとくから」
「う、うん。ありがとう」
菜和の指が優しくおれの髪の毛に触れる。
妙なくすぐったさと恥ずかしさにおれは俯きながら朝ご飯を食べた
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