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今日の夕飯はコロッケだ。

お箸で一口大に切って口に運べば、さくさくとした衣とじゃがいもの優しい味が口の中に広がる

塔子さんの料理はやっぱり美味しい、としみじみ思う。


「塔子さん、美味しいです!」

「まぁ、本当?よかったわ」


にこっ、と塔子さんと笑い合った瞬間。お兄ちゃんが吹いた。

貴志君大丈夫!?搭子さんはひどく慌てている。なんでもないですって無理があるでしょお兄ちゃん

近くにあったタオルを取ってお兄ちゃんに渡す。

ありがとう、菜和。なんて優しく微笑むから思わず私もつい口元が緩んでしまう

私はお兄ちゃんの笑顔に弱い。お兄ちゃんの笑顔は私をぽわっとあったかくしてくれるから


「テーブルにこぼしたのは拭いた?―っ!」


それとなく、お兄ちゃんのお皿があるところに視線を落としてみれば、昼間に会った露神さまいた

思わず声を上げそうになったけどぎりぎりのところでそれを飲み込んだ。


『お嬢さんもいたんだねぇ』


私に気付いて手を小さく振る露神さまにお兄ちゃんたちに気付かれないように、微笑みを返した

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