ハートの女王編 「えっ、いいの!? でも私何もわからないから、心配なんだけれど……」 「アリサがこんなに頑張ってくれてるのに、僕だけ逃げるわけにはいかないよ。それにクローバーの国のことはよく知っている気がするんだ。スペードの国のことは少しだけれど」 「そうなの？ じゃあとりあえず、クローバーの国へ行ってみてもいいけれど……」 もしかして、ロイドは行方不明のクローバーの国の王子と何か関係してるんじゃないかな。王子本人の気がする。上品な感じだし、風格もあるしありえる。何よりかっこいいし。 もしもクローバーの国に行ったら、記憶を思い出して、国に戻ってしまうかもしれない。 私は何か言おうと思ったけれど、口を閉じた。いつまでもロイドのことも巻きこむわけにはいかない。 ロイドだってハートの女王の被害者の1人なのだから。私がもっと早くハートの女王を止めなかったことによる被害者。 第一、こんなかっこいいのだからクローバーの国にロイドのことを待ってる人がいるだろう。 prev/next |