ハートの女王編 「手がかりがなくなっちゃたね」 「どうしようかなあ」 ハートの城から帰ってくると、サンとヨウが先を歩きながら話している。 「でも、クローバーの国は王子様が、スペードの国は王様と王子様が行方不明って言ってたね」 「クローバーの国に行ってみるの?」 「どうしようかな」 ハートの姫は協力してくれると言ったから、またすぐにでも馬車を出してくれるだろうけれど、迷う。何も知らないところに何の準備もなく行くのは勇気がいる。ハートの姫から地図はもらったけれど、これで足りる気はしない。 何より、クローバーの国が話題にあがる度、ロイドが少し顔をしかめている。後で話を聞いてみよう。 prev/next |