ついのべ



長雨が止むのを待っていた。雨雲が夜空を隠す暗闇の中、天から僅かな光で線を描く。絶望というのは無。だが周囲にいろんなものがあることに気づく。冬目前の寂しさも深呼吸して落ち着いてみれば、風が流れてるのを少しずつ尊く思えるようになってきて。今頃の記憶が何年分も鮮やかに雨雲を染めていく。

2024/10/31 後書き

prev | next



- ナノ -