「だから君を僕に酔わせたいんだ!」 理解したくない台詞と音が文字になって飛んできそうなウィンク。参考書を開く勢いで滅却。 「私これから勉強したいんですけれど」 「僕は君を全力で応援する!」 いらないと言う代わりに無視。顔は良いが言動格好は軽薄なこの男は私に何故か運命を感じてしまったらしい。この時期に進学先が決まってないのだから勘弁してほしい。 「僕は君のナイトになりたい!」 「試験会場には一人で行く決まりです」 「お守りくらいにはなれるはずだ!」 「……一緒に勉強してくれるなら考えるけれど」 途端に酔いが醒めたような真剣な表情。私より頭がいいなんて腹が立つ。 試験結果を見て腐れ縁くらいには認めてあげることにした。 |