バレンタイン小話。
ぱるぱるぱるぱる……





「さあ、チョコを渡すんだ」
「今はハロウィンじゃありませんが」
「関係ない、渡せ」

俺の手にある暖色系の包み紙たちを見るなり、風介はチョコを要求してきた。分かってるかもしんないけど、このほくほくと抱き締めているラッピングたちは俺が今日貰ったチョコである。今年はバレンタインが日曜日だからと二日早いそれ。中々の量を貰ったので男らしく素直に嬉しい幸せだと感じる中でのハプニング(?)だった。
風介だって俺よりいっぱい貰ったくせに、更に欲しいというのはおかしい。お前あれ、糖尿病になる。口には出さないでおくけど。
風介は渡す素振りを見せない俺にいらついて髪をがしがしし始めた。
ああ、ああ、うんうん。
そんなにチョコが欲しいか。でもな、いつもお菓子を取られている俺にとっちゃあこれは一年に一度の個人的な糖分補給の機会。くれてやるわけにはいかない。それにバレンタインは恨みっこなしだ。他人の分には手出しは厳禁。
風介はまた手を差し出した。
だから、駄目ったら駄目。俺はぎゅっとチョコたちを抱き締める。
すると風介は何とも悲しそうな表情をして俺を睨んだ。絶対零度の視線! ……というわけではなかった。例えるなら温暖化で融けていく氷山のような瑞々しさ。

「やはり貴様はろくでなしだな! わたしよりそんな物の方が大切なのか!」

はえ?
俺が呆然とする中、風介が走り去る。
ろくでなしって何だよ、って思う前に風介が不器用なのをすっかり忘れていた。珍しい、風介があんなに激昂するなんて。いやいや、そういう話でもなくて。
うん、やっぱりろくでなしでいい。
俺は腕の中のチョコを手放して、嫉妬心の風介の元へ向かった。








下お気をつけ下さい!











それは緑色の眼をした目に見えない怪物です!
上の嫉妬の話はある一部では有名ですね。
晴矢がチョコもらってぱるぱるする風介かわいいよ風介!
でも風介はチョコが欲しくてぱるぱるしてるのかもしれない。
まあとりあえずリア厨妬ましい。

2010.02.07 初出

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