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睡姦

俺がレイヴンと付き合い出してわかった事があるのだが、それは此奴の睡眠時間が半端なく短いという事だ。
1度ジェルバーやウツボ達と飲み会をした事があるのだが、その時にレイヴンも共に参加していた。因みに俺の国の城で開催した飲み会で、酔い潰れて寝落ちOK…という状況だった。元々レイヴンは酒を好んで飲む質ではなく、少し(カクテルを2杯)飲んでから「寝ます。」と席を外した。俺とジェルバー、アキト、ウツボはそのまま飲み続けたのだが…レイヴンが席を外した僅か2時間後。レイヴンは「おはようございます。おや、まだ飲んでたのですか。」と素知らぬ顔で戻ってきた。それから会話には口を挟む時はあれど酒は一滴も飲まず、そして眠そうにする事もなく…飲み会はお開きとなった。あれから聞いたのだが、自国に戻ってからも夜まで一睡もしなかったのだそう。レイヴンは睡眠時間が極端に少なく、しかし本人はどうともおもっていないようだった。身体に毒だ、と伝えたが、眠たくないらしい。睡眠欲と言うのがないのだろう、羨ましいといえば羨ましいが(公務に追われている時は、だが。)、羨ましくない方が大きい。
1日2〜3時間の睡眠で満足出来る理由が分からない、と常々思っていた。幾ら睡眠欲が無いとはいえ、いつかは身体が悲鳴を上げるに違いないだろう。どうせレイヴンのことだからオフィーリアさんの元へ行けるとか行ってそのまま押し通す未来しか見えないが、俺は、恋人としては…そんなの放って置けない。
恋人としての特権として、1度めちゃくちゃに抱いて意識ふっ飛ばせば良いのではと思い、それを実行があった。狙い通りレイヴンの意識を飛ばす事に成功したが、処理も終わって俺が寝ようかと現としだした頃に起きた。(そして滅茶苦茶怒られた。)
つまり、何をしても無駄なのだ。多分、レイヴンの心理的に、睡眠を受け付けてない。これではどうすることも出来ないし、もう本人はそれが当たり前になってそれで満足しているから良いのでは…と俺は諦めだしている。そんなある日の事だった。

「……おい、嘘だろ。」

今日は俺がレベルタに来て、此奴の城に泊めてもらった。俺としてはレイヴンと致す事を楽しみにしていたのだが、風呂を出ていざとレイヴンの部屋に来ると何と其処には。

「…寝てるのかよ!」

ベッドの上で布団に包まるレイヴン。瞳は閉じられているし、スースーと寝息も聞こえる。おい、嘘だろ。俺はお前を抱く気満々で来たんだぞ。何でいつもはもっと遅い時間に寝るのに今日に限ってこんな早いんだよ。レイヴンの事だから2時間程待てば起きるっちゃ起きるのだが、そこまで待てる程俺も人が出来てない。王子といえ、男だ。目の前に無防備な恋人が居たら、欲情するに決まっている。

「…おい、起きろ。」

プニ、と頬を摘む。やはり起きる気配は無いし、寧ろ寝返りをうって横を向いていたのが仰向けになった。何か寝言が聞こえたが、何を言ったのかは分からない。しかしお陰で唇が薄く開いた。
ゴクリ、と唾を飲み込む。寝ている相手に手を出すなんて、卑怯者だ。しかし、コレは恋人を放っておいて寝たレイヴンが悪いだろ?なんて、自分を肯定化させる言い訳を考えながら、俺はその唇に喰らいついた。少し開いた所から舌を侵入させ、絡める。しかし、相手に意識は無いわけだから、上手くいかずレイヴンの唇の端から涎が垂れていく。俺は寝ている相手に、という背徳感にゾクゾクしながらも無我夢中でその唇を貪った。
くちゅ、と卑しい水音をたてて唇を離すと、銀色の糸が俺達を繋ぐ。プツ、とソレが切れると、俺はレイヴンを包む布団を剥いだ。
ベッドのシーツに埋もれるレイヴンはシンプルな寝巻き姿。やはり露出を好まない故に長袖長ズボンは当たり前。まず俺は上の寝巻きをはだけさせた。首筋に噛み付き、赤い痕を何度も残す。フワリと香るのはレイヴンの匂い。シャンプーの優しい香りだ。雪のように白い肌に赤い痕はかなり目立つが、先程も言ったがレイヴンは露出を好まない。何処にどう痕を付けようが、誰かにバレたりはしない。チュッチュッ、と痕を一つ一つ付けて行く度にレイヴンの身体はピクッと反応を示すが起きる気配は無さそうだ。

「(本当に無防備だな…。)」

俺は白い肌に浮かぶ赤の痕を指で撫でながら、ぷくっと膨れ反応を示すそこを舌で苛めてみた。舌で押し潰し、甘く噛み付き、しゃぶる。もう片方は指でこねくり回してやると、身体が大きく跳ねる。

「んっ………」
「!…起きたか?」

しかし、その瞳が開くことは無く、俺はそれに少々安易した。そして続きを、とばかりに乳首への愛撫を再開し、俺は寝巻きのズボンを脱がせにかかる。
下着ごと一緒に脱がせば、反応を示すレイヴンのモノが現れ、俺はそれに誘われるかのように舌を、指を下に下に下ろしていく。
俺はレイヴンのソレを口に招き入れ、舌で愛撫をしてやる。寝ているが、此奴はフェラに弱くてな。いつも俺がすると止めてといって頭に手を置くんだ。押し返そうとしてんだろうが、力が弱くてもっとと強請ってるようにしか見えなくて…スゲェ可愛い。俺はそれを思い出しながら舌で裏筋を舐め、指でフニフニとまだ柔らかいタマを揉んでやる。

「んぅ、…あ、ん…っ。」
「……。」

チュパっと音をたてて口から引きずり出すと、唾液でてらてら光り、卑しく映った。
…流石にそろそろ起きて貰わないとスゲェ心配になる。睡眠時間は短い癖に、そんな無防備でいいのか。貴重な時間だろお前にとって。早く起きて体裁加えて二度寝するべきなのではないか…と考えていたが、ふと脳裏に過ぎったのは別の考え。
あ?まさか、睡眠時間が短いから、その短い睡眠が深いのか??と。だから、何をしても起きない、と。
それが本当か知りたくなった俺は、先走りや唾液で指を濡らし、ゆっくりと後孔に指を侵入させて行った。まずは1本。身体の反応はあるが、起きる気配は無い。調子に乗った俺は、対して解してないと言うのに指を一気に3本に増やして侵入させた。ぐちゅ、と厭な音がして後孔は指を飲み込む。流石にそれは痛かったのか、異物感があったのか…「んんっ!」と大きく喘いでいた。

「(…マジだ。全然、起きねぇ…。)」

グチュグチュと指を出し入れする度に卑しい音が溢れ、俺の聴覚を刺激する。指の動きを止めて、3本の指を拡げるとくぱぁと覗く腸壁は綺麗なピンク色をしていやらしく俺を誘っている。

「(もしも……挿入れても、起きなかったら。)」

ゾクゾクと俺の背筋に何かが走る。俺は急いで準備をして、ひくひくと誘う後孔に自身を当てる。
先っぽだけを入れて、出して、を繰り返すと、クプックプッと小さな音が漏れる。嗚呼、たまらない。レイヴン、焦らされるの嫌いなんだよな。挿入するならさっさとしてくれ、って感じなんだよ。だから、今度は焦らしプレイってのもやってみたいかもな。…なんて。既に睡姦なんてアブノーマルな事を仕出かしているというのに。俺はフッと自嘲気味に笑い、一気に奥に突き入れた。

「んんアッ!」
「ぐっ、あ…。」

起きたか。そう思い恐る恐るレイヴンを見るが…矢張り瞳は閉じたまま。しかし、開いた唇から涎が垂れ、頬は薄紅く染まっている。これでも、起きないとか…。レイヴンの足を思いっきり開き、弱い所をグリグリと攻め立てる。グチュグチュ、パンパンッ!と卑しい水音と肌と肌がぶつかり合う音が部屋に響く。

「んっ!んっ!んぅぅっ!!」
「なぁ…気持ちイイ?なぁ?」

返事なんて返ってこないと分かっているのに。そして俺はブルっと身体を震わしたと思えば、温かいナカに白濁を吐き出していた。

「……マジで、起きなかった…。」

チュポッと音を立てて自身を引き抜くと、どろりと白濁が後孔から零れる。一応頬を抓って見たが、やはりその黒い瞳が俺を映す事は無かった。


俺が起きた時には、レイヴンは既に着替えも済んでおり、本を読みながら紅茶を飲んでいた。

「…おはようございます。」
「あ、ああ。おはよう。…何か不機嫌じゃねぇか?」

目に見えて分かる不機嫌さ。俺はあの後ちゃんと後処理はしたし、シーツも変えたし寝間着もちゃんと着せた。まぁ、身体中に残る痕で分かるかもしれないが…。

「痕、付けすぎです…。」
「悪い…つい。」

案の定、痕については言われた。ジトっと俺を見つめる瞳は何か言いたそうだが言い難い、そんな風に取れた。

「何かあるか?」
「…あ、の。」
「?」
「痕付けた、だけ……ですよね?……その後は、致して…無いですよね……?」

腰は痛くないのか。まぁ1回しかしてないからさほど響いてないのか。顔を真っ赤にしながらそう述べたレイヴンに思わず悪戯してやろうと思った。

「おう。それ以上は、何も。ははーん?レイヴン、お前して欲しかったのかよ?」
「なっ!?そ、んな訳無いでしょう!わ、私は今からクロードの元へ行きますのでっ!失礼します!」

バタンと勢いよく閉められた扉に思わず笑が零れる。あーあ。本当に無防備で、可愛いんだからよ。

END
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ユリレイ単発詰め合わせ
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