140words

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娼婦は月光を浴びながら俯き己の身体をかき抱いていた。壊れた窓からは夜風が吹き込み影法師を揺らしていた。スカートだけでなく全身を、彼女が小刻みに肩を震わせているものだから。隣に並んだ背の低い人物は黙っている。視線を向けることもない。それでいい。今はただ静かに泣きたかった。


Twitterにて、140文字以内で小話を書く試みを始めました。
『歌詞10.殉愛者』に登場する娼婦と聖人の逢瀬の場面をシリーズ化します。
目指せ、毎日更新。

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