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許して

※オリジ
日記ログ。ちょっと注意。










私の中に住み着いた天の邪鬼は、もう私の一部となっていて、今更引き離すことなど到底できないのです。



彼がくれる甘ったるいソレが嫌で、煽って、煽って、怒らせた末の激しい行為に、じわりと安堵のような何かを感じた。
部屋には、獣じみた荒い息遣いと己の声のみが、響くことなく夜闇に吸い込まれた。
ちらりと盗み見た彼は、思っていたよりもずっと辛そうな顔をしていて、つきりと疼く胸の痛みを、掻き消すように埋没する。
溺れてしまえば、快楽と痛みと、わけのわからない感情が混じり合って、全部ぐちゃぐちゃになってしまうような気がした。
けれどやはり、溺れれば溺れるほど気付いてしまう。彼の優しさに。ただ彼は私の要望に応えているだけなのだ。私は彼に応えられるものなどなにも無いと言うのに。
優しい彼は、その優しさ故に、こうして私の望みを叶えてくれる。彼自身は、きっと深く深く傷ついているのだろうけれど。
目の前がちかちかとして、終わりが近付く。それは向こうも同じなのか、徐々に強く激しくなる。高くなっていく自分の声を聞きたくなくて、剥き出しの肩に歯を立てた。

ごめんなさい、ごめんなさい。きっと私は後悔する。彼の肩にくっきりと残った歯型に。貴方を傷つける事しかできないのに、貴方を愛してしまった自分に。
ごめんなさい、ごめんなさい。貴方はこんなに優しい愛をくれるのに、私は貴方に応えられない。痛みしか与えられない。
ごめんなさい、ごめんなさい。けれどどうか、けれどどうか、こんな私を、



 許して(あいして)




20110930.


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