彼女の住んでいる狭世界の中にはたった一人の人間すらも存在していない、と僕が気付いたある真夏日の昼下がりのこと。

「なにも考えていない人間は嫌いなの。
思慮の浅い人間は嫌いなの。
頭の悪い人間は嫌いなの。
なにかを嫌いになる覚悟もない癖になにか好きになる人間は嫌いなの。
面と向かって悪口も言えない人間は嫌いなの。
勇気のない人間は嫌いなの。
甘ったれた人間は嫌いなの。
計画性のない人間は嫌いなの。
独立できない人間は嫌いなの。
本心を隠すのが美徳だと思っているような人間は嫌いなの。
人見知りをする人間は嫌いなの。
嫌いって言われることをなにより恐れてる人間は嫌いなの。
好意を信じられない人間は嫌いなの。
そのくせ、好意を求める人間は嫌いなの。
甘えてくるような人間は嫌いなの。
そういう人間がなにより嫌いなの。」

「じゃあ、あなたはどういう人が好きなの。」

「あら。そんなのわたしじゃなければ誰でも好きよ。」

彼女はひまわりよりもまあるい笑顔で笑った。


[2014.0202]




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