▼ 機会は逃さない
※主人公グリフィンドール生設定、お相手は教授です。
レイ、お前に愛の囁きを―――。
我輩は、お前が好きだ。
こんなにも一人の人を好きになるなんて、思ってもいなかった。
我輩は、そういった対象を一生持つことはないと、思っていた。幸せになってはいけないと、いや、なれるはずがないと思っていたのだ。
そんな考えを覆したのはお前だ、レイ。
いつの間にか、我輩の心にスルリと入り込み、居ついてしまったお前。
最初は、元気な娘だと思っていた。いつも笑顔で、澄んだ声で我輩に挨拶してくる。陰険と嫌われたこの我輩に。
敵対する寮であることは、お前にとって関係ないのか…?
毎日挨拶されれば、それとなく目で追ってしまう。大広間で、廊下で、図書室で、そして授業中であっても…。
いつの間にか、お前は、我輩の気になる存在になってしまった。
表情豊かな顔。よく笑い、生徒とじゃれ合っている。
そんな姿を見たら、我輩の胸はチクリと痛むようになった。
何故、そんな顔を他の輩に向ける――?
その微笑みは、我輩だけに向けてほしい。その、澄んだ声が紡がれる言葉は、愛の言葉であって欲しい。
我輩へ向けての……。
我輩の中で、どんどん大きくなる、レイへの想い。
こんな感情、いらないとさえ思える反面、甘く震えるこの感情に酔う自分もいる。
ああ、ひどく甘美だ。お前を愛する気持ちは………。
今日は、レイの誕生日だとか。
我輩をなめてもらっては困りますな。我輩はスリザリン。情報を仕入れることなどたやすいことだ。
このような機会、利用しない手はない。我輩は胸をときめかせながら、授業中にレイへと言い放つ。
「Ms,カンザキ、罰則だ。本日20時に、我輩の部屋へと来たまえ………」
レイの好きな物は調査済み。それを準備しながら、我輩は今か今かとその時を待つ。
レイが来たら、ソファーへと座らせ、それから、言うつもりなのだ。
「誕生日おめでとう、レイ……」
するときっとお前ははにかみ、あの心がときめくような微笑を我輩だけに見せてくれるはずだ。
それから我輩は囁こう。お前にだけに、愛の言葉をな――――。
我輩の部屋に響く、ノックの音。準備は万端。あとはお前を捕らえるだけだ、レイ。
目を閉じて、我輩は言った。
「入りたまえ…」
〜あとがき〜
こちらは、仲良くさせていただいている素敵サイトさん「宙−そら−」の桜めいさんのお誕生日に捧げた夢です。
勝手な妄想が爆発し、このようなお話になりました。
それに、何も言わずに突然送りつけたんです私…。
うふふのふ←
ですがめいさんはとても気に入ってくださり、なんとサイトに飾ってくださいました。
嬉しさ、無限大(^0^)
めいさん、本当にありがとうございました!!
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