あなたの隣で | ナノ

自分の力で



2月は、私にとって大切な月。

大好きなあなたが、生まれた日がある月。そしてあの日―――

バレンタインデーがある月なんだもの。






そろそろ1月も終わろうとするある日、私はソワソワしっぱなし。

何故なら、大好きな私の旦那様であるアランのお誕生日とバレンタインデーのプレゼントを考えなくちゃならないので。


なにがいいかしら?



バレンタインデーは、甘いモノに目がないあの人にとって、嬉しい日よね。
夫婦になった今でも、沢山のチョコやプレゼントが贈られてくるものね。世界各地から。
こういう時、私はつい思ってしまうの。

アランは本当に、私なんかと一緒にいて幸せなのかしら―――と。




私って一体なんなんだろう。



ごく普通の、一般人に過ぎない。
大学は卒業したけれど、定職に就いているわけではないし。

家の中でゴロゴロしているだけの、専業主婦だもの、ね。



アランに贈られてくるプレゼントは本当に多い。中には、これってどうなの、ってモノもあった。

例えば、写真とか……。


お見合いじゃないんだから。

あと、キスマーク(本物のリップだった)が付いていたりする手紙とか。


全てにお返事はできないから、エージェントが代わりに返事のポストカードを送ってくれているみたいだけれど。

そういう、ある意味行き過ぎたプレゼントであったとしても、アランは捨てずに取っておくのよ?

「応援してくれるのは、ありがたいことだ」

なあんて言って。
アラン、あなた、いい人すぎるわ……。
私、そんな貴方が好きで…嫌いよ?




そんなことを考えながらカタログを見ているから、アランへのプレゼントが決まらないのね。
どうしよう……。そこまで考えた時。私はふと閃いた。




そうよね!アランへ贈るプレゼントなのに、アランが稼いできてくれたお金を使って支払うなんてなんか間違ってるわ。
どんなものでもいいの。私が働いたお金で、アラン、貴方にプレゼントをしたい。


そうと決まればバイトをしなきゃ!
私は気合いを入れると、バイト探しを開始したのだった。




アラン、待っててね!私、頑張るから……。


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