ちっはっひっか
2016/03/05 17:45

ご無沙汰しております!
思い付きで書きなぐったチハヒカを置きにきました。片恋にアップしようかとも迷ったけどまあそんなんでもないよなと、ここでこっそり…


ファジーな情のないことだけが、精々僕の良いところだったのになぁ、と思う。好きも嫌いも白も黒も、躊躇いなくつけられるから余計な嘘もつかない。優しくはないけれど狡くもないし、胡散臭くもないだろう。君の時間も気持ちも何もかも、僕は一片も欲しがらないから無駄にもさせないよ。それだけは、自分の中の数少ない美点だと思っていたのだけれど。
「チハヤさん、最近私のこと、帰れって言わなくなりましたね」
図星をつかれて、傾けていた紅茶の渋味が増した気がした。じとりと見れば首を傾げて、揺れる無花果色の髪。
手招きもできない、けれど突き放すには決定打がない。白でも黒でもない、雨色の君の存在は、僕の噎せ返るような憂鬱だ。
「……そうだよ、何が悪い?」
答えてみても、とうに形無しで、僕は僕である証明を君といると見失ってしまう。すなわち、世界には必要と不必要だけで切り分けられない関係があることを、嫌というほどに知るのだ。今日も。

(チハヤとヒカリ)

お粗末様でした。また来ます。
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