第1章 日常
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呼んでる
呼んでる
誰かが呼んでる
私のことを
早く、捜して
逢いに行かなくちゃ
――――――
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ある晴れた日のことだった
今日は友達と遊ぶ約束をしていた
「いってきまーす」
そう言って足取り軽く待ち合わせ場所である駅へと向かう
(梅流……)
「はい?」
誰かに呼ばれた気がして後ろを振り向く
「あれ…?」
だが、そこには誰もいなかった
不思議そうに首を傾げる
「空耳かな…?」
(ううん、違うよ。私は、私達はここにいる)
ハッとして辺りを見回す梅流
空耳なんかじゃない
今、ハッキリと人の声がした
しかし、相も変わらず姿が見えない
「な、なに…!?」
梅流は次第に姿無き声に恐怖を覚え始めた
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