「そうでしょう?そうでしょう??」





どこからとも無く聞こえて来た声にハッとなる


慌てて声のしたほうを見ると梅流は驚いたように目を見開いた




そこには、1人の少女が立っていた







――だが、どう見ても普通の人間では無い



本来耳があるべき場所には耳が無く、頭の両脇にまるで猫のように茶色い耳が生えているのだ

それだけではない


よく見ると、腰の付け根からは、狐のように太い尾が生えている




少女は、目を見開いたまま微動だにしない梅流を気遣い、声をかけた


「あ、あのぅ…ごめんなさい!驚かしちゃって…」



怖がらせたかと思い、申し訳無さそうに梅流を見る









「す……」

「す?」


不意に梅流が洩らした声に耳を傾ける







「すッッッッ…ごい!!!」

「へ!?」


梅流は怖がる所か、目を輝かせて少女を見ている



「スゴい!スゴい!!こんな不思議な世界に来れて、あなたみたいな、不思議な人に会えちゃうなんて…!私、ずっと心の何処かでこんな『世界』を探してたの!!」


嬉しそうに梅流は、そう話す


そんな梅流の反応に、少女も嬉しそうに微笑んだ




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