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僕には昔から自傷癖がある。

昔、と言っても僕達が楯山家に引き取られてちょっとしてからだけどね

それもリスカに留まらず、アムカなどやってしまっている

いつも以上に欺いてるからバレることはない。

バレたら怒られる……よりも皆気味悪がるよね、こんな傷。


「……ぁ…」


…やってしまった。

いつも浅くやっていたけど今回は深く切ってしまった


「どーしようかな…」


今共同ルームに行ったら確実にヤバい。

けど傷も色々ヤバい。

………これから自分専用に救急箱を置こうと思った。

僕はティッシュで傷口を押えて欺いて自分の部屋を出た。

―セトにだけはバレませんように―…

僕はそう祈った。


*****


「おっはよー!」

「おはようじゃない。
 今何時だと思ってるんだ!」

「え、?」


時計を見るともう昼近くの時間になってた。

えっと…起きたのが9時だから……

え、嘘…
3時間近くも切ってたの…?

いや、確かに「今日は結構切りすぎたな」とは思ったけど…
流石に吃驚するよ、うん…


「ぁ、ご、ごめんごめん!
 昨日最近ハマってる作家さんの小説読んでたから夜更かししちゃってw」

「お前にしては珍しいな…
 だがあまり夜更かしするなよ?」

「うん、これから気を付けるねー」

「……」


……うわー、セトガすっごい見て来る…

ばれないよね…?

けどそんなことを思ったのはほんの一瞬だった。

何故ならセトの顔を見てみると、目が…

目が赤くなっていたのだ…

なんで?セトは自分のの能力嫌いでしょ?

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……

すると、キドがセトにこう言った。
「風邪ひいてるんだから無理して起きてるな」と…

キドが言うにはセトは数日前から体調がすぐれないと言っていたらしい。

けど体調を崩した本人もここまで酷くなるとは思っていなかったらしい。

…けどその数日間バイトを休まないって、どんだけ体力あるんだよ…

って、そんなことより、セトはさっきから僕の方を凝視してる。

やばいやばい…一刻も早くここから出たい…

いつもの“散歩”の言い訳は今日は使えない…

けど自分の部屋に戻るにもさっき来たばかりだから無理だ…

どうしよう…












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