眠る彼女と一人ぼっちの部屋が迎える夜の朝///
「お--う、ウォ-ター」
私が目を覚ます。
彼に、笑顔で告げるために。
”----”
彼もきっと笑っている。
けれども、私には見ることができない。
声すら聞き取れない。
だって、いつだってアナタは背を向けている。
今日こそアナタが消えないように。
手を伸ばした。
指先が触れた途端、そこがひび割れた赤い夢の中だと気がついて…すぐに私は、もう一度目を覚ますのだけれども。
いつもお姫様は1人ぼっち。だって仕方がないの、夜の中の朝で王子様に出会うためだから。
mae ◎ tugi