旧夢 | ナノ

▼ポル連載1

スタンドが便利すぎて生活に退屈を覚えていた私は喜んでジョースター一行の旅にわった。
そして初めての敵はホル・ホースとJガイルだった。
アブドゥルがやられるとアブドゥル救出へ向かったので、殆ど観戦に近かったが、その戦いで「ポルポル君」とホル・ホースが言ってから私の中でその呼び名がちょっと流行る。ホル・ホース自身が明言する通り、女性に優しいので私自身は敵対しなかったし、
アブドゥルがやられてしまったがそれは演技だと知っているし、西部劇は好きだし、私はそんなにホル・ホースが嫌いじゃない。何より面倒ごとが見たくて参加したんだし。

ホル・ホースは中々いい男だと思う。ちょっとしたお遊びにはもってこい。
けれどポルポル君は本当に傷ついているし、きっとアブドゥルのことはトラウマになりかけている。シェリーの仇は討てたけれど、と喜ぶ間もない。
いつもおどけてみせるポルナレフはアレで結構真面目なのだ。アレで。変な奴。

この日のホテルはポルナレフと同室だった。
いつも一人一人個室過ごすし、なければ分かれるけれど、今日は2、3だった。5人になってしまったし。
向こうは高校生二人とおじいちゃんで、こっちは年頃の二人。
私と男が二人っきりなんて問題じゃないか、と言う花京院に
「大丈夫エッチなんてしないわよ」と言って空気を凍らせたのはほんの少し前。

ポルナレフはシャワーを浴びて、私はテレビを適当に見ようかと思った。
珍しくテレビが置いてあったくせに、画面は砂嵐で映像は全く映らない。
「それ、映らないぜ」と出てきたばかりの水も滴るいいポルポルが言った。
「日本じゃ頑張って砂嵐を見てると一瞬だけ真っ裸の女が映ったりするのよ」
「なんだそれ。」ちょっとポルポルが笑いかけた。うんうん、あなたは笑ってたほうがいいよ。
「有料のアダルトチャンネルを一瞬だけ受信できるのよ。」
修学旅行で皆で見たわ。と続けると「何言ってんだよ。日本のレディ達、大和撫子がそんなことすんのかよ」と言う。
「見るわよ。大和撫子は戦後GHQが介入してからゆっくりとムッツリ撫子に進化したの。」

「嘘を言うな。」
いつの間にか部屋に居た承太郎が言う。
「少なくともテメーだけだ」

「嘘だろ承太郎!」といいながら私もシャワーを浴びようと準備する。
「ところで承太郎はどうしたの?何か用事?」
「テメーがあんなこと言うから花京院が妙にソワソワしてんだよ。」
つまり様子を見に来たという。
「俺だって選ぶ権利くらいあるぜ!」とポルナレフが反論するのが面白くない。
「あら残念ね」と色気たっぷりに言ってシャワー室に引っ込んでやった。

ドアを閉める一瞬、承太郎とポルポルのポカンとした顔を見て風呂場で笑った。
一緒に旅をするメンバーの誰に抱かれても文句はないって位、彼らはいい仲間達じゃない。
誘われたら一考するわ。

To be continued


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