※連載に反映されたりされなかったり
※非連載のもR指定のも含みます
無題@ 02/06 22:45 安寧


感じたことない空腹感に見たことのないルシアの衰弱。助けるつもりが助けられ、そのくせ抜け出すこともできない体たらくに嫌気がさす。隣の呼吸は浅く気配は希薄だ。何で助けが来ないんだ。未来の10代目が捕らわれ死にかけてるんだぞ。悪態を吐こうにも体力が追いつかず手を握るだけで終わる。
もしこのまま助けが来なかったらここで死ぬのか。こいつと共に道半ばで。普段考えもしない暗い思考に飲まれていると手の甲が温かく包まれた。白い手が重なっていて隣を向けばルシアは柔らかに微笑んでいる。
「おまじないをかけてあげる」
そう言うと緩慢の俺の手を掬い上げ手のひらに二本の線を描いた。両端が尖った楕円形になんだそれは、と思うと徐に線の上に唇が重なる。
「希望を忘れないおまじないよ」
「は…?」
「分からないなら…そうね…ここから出たら教えてあげる」
そう笑ったルシアはもう死にそうだった。幾人も剣で屠ってきた俺にはルシアに色濃く浮かぶ死相がわかる。あと一日もせずこいつは、
無題@ 02/06 22:25 安寧


部屋は薄暗く悪臭に満ち悪魔のひたひたという足音が聞こえる。私とスクアーロは浅く息をしながら互いに寄り添い合い薄くまなこを開いて助けを待った。胃壁を引っ掻くような飢餓感。干涸らびるほどの渇き。傷の痛み。不穏な足音はしだいに大きくなるというのに隣の体温が 浅い呼吸が勇気を与えてくれる。
「  ?」
かすれた気弱な言葉に少し笑ってしまう。あなたもそんな小さな声を出せるのね と言うと今度ははっきりと馬鹿やろうと返ってきた。互いに小さく笑い合い笑えるならまだ大丈夫と気づく。それでもスクアーロは随分弱ってしまっていて彼の手を掬い上げた。

「おまじないをかけてあげる」
儘@ 02/05 17:35 笑顔の引き出し方


「こない、で」

背後から近付いた気遣わしげな気配を拒絶する。見られたくなかった。あんなみっともない姿も涙も。周知の関係だけど線引きは大事にすていたのに。ぼろぼろ零れる涙は風で砕け、頬の熱を冷ます。止めなくちゃと思うのに涙はこんこんと湧き出てくる。途方にくれて袖で拭い続けていると頭になにかがぱらぱらと落ちてきた。髪を伝って落ちてきたものは小さな白い花。摘み上げるといい香りがする。

「……もう」

ぱらぱら ぱらぱら と可愛らしい花が頭にぶつかる。いつまでも落ちてくる感覚に頭を上げざるをえなかった。このままじゃ花まみれになっちゃう。私は涙を拭って隣に立つ黒いスラックスを掴んだ。

「涙は止まりましたか?」
「おかげさまで」

良かったと言うと膝に落ちた花を拾い上げなぜか私の髪にさし始めた。ぷすぷすと黒い髪が白く飾られていく。お返しにフラワーホールと胸元に差してやると結局お互い花だらけになってしまってなんだかおかしかった。
儘@ 02/03 21:13 目をそらすな


きつく握りしめていたシーツとの間に手が滑り込みボスの太い五指と絡んだ。大きく硬い手の平は温かい。打ち付けられる快感に力がこもるとボスも強く握り返してくれて錯覚しそうになる。愛されてるって。

ボスはやさしい。体格差を気遣っているし激しくとも乱暴ではない。気持ち良くしてくれるし無理強いもしない。だから恋人みたいな仕草に錯覚しそうになる。でも ほら 顔を上げれば分かる。ボスの瞳は暗く虚無的な影を帯びていてここを見てはいない。愛はないと自覚しないと。
無性に泣きそうでアルファロが恋しくなった。

「…何を考えている」

脳裏に別の影がチラついた瞬間、ボスの目が鋭く光りもう片方の手で脚を持ち上げられた。覆いかぶさるように突き立てられ深い衝撃に目の前に光が散る。

「随分余裕のようだな」
「ちが、ぁ!ごめ…なさい!」

知り尽くされた弱い所を何度も攻められ涙が出るほど感じてしまう。甘い痛みと快感にくらくらする。もう考えることすらできなくてボスの言葉さえ届かなかった。
儘@ 01/25 15:44


後ろから柔らかな乳房を包む。どうしたって緊張と羞恥が上回るようで身を縮こませ顔をそらされる。普段隠されているうなじに口を寄せると首筋まで赤く染まり体温が上がった。まだ身を固くしているがそれでも触れるたび細やかに反応する。柔らかな乳房は形を変え吐息を耳にぶつけるだけで微かに声を漏らした。硬さを帯びてきた先端が擦れると身体が跳ねた。

「ん?」
「なんで、も…ゃ…ひゃ」

弱く神経を押しつぶし爪で弾く。小さく身悶え快感に蕩けていく様はいじらしく思わせる。たまらず寝台に押し倒して白い鎖骨に噛み付く。汗ばんだ白い肌に赤い痕をいくつも残し、色づいた蕾を口に含めば高い声を漏らした。
ふと擦り寄せた脚が腰にぶつかり女は慌てて赤い顔を逸らす。くつりと笑みがこぼれ胸から腹を通り太腿を撫でてやれば顔を覆った。

「隠すな お前の全てを見せてみろ」
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