彼と、ある日の昼下がり 編





「今日は、どこか出掛けようか」

頬を撫でる感覚と共に目が覚めて、1番に目に入るのは私を見つめる愛おしいあなたの瞳。


「最初のあの日みたいな天気だね。」

私の言葉に、クラウドが目を見開いたのが分かった。


「どうかした?」

私の問いかけに、彼が小さく笑う。
撫でていた頬にキスが落とされて、心地良さに眠気が海辺で見た波のように戻ってくるのを感じた。


「俺も、同じことを考えてた。」

落ちる瞼をこじ開けて、上半身を起こした彼の首に腕をまわす。
背中にまわされた腕が、クーラーで冷えた私を暖めた。

ねえ、クラウド。私 思うんだ。
あなたと一緒なら、どこででも素敵な思い出が作れる。
きっとあなたも、同じ気持ちだよね。








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