はきだめとか | ナノ



風船

2014/12/16(Tue) 06:07






僕は凹む。悲しくて、悔しくて、あと情けないのと、いろいろ、ごちゃごちゃがまぜこぜでめちゃくちゃに混ざって溶けて、僕が萎む。そうしてちょっとずつしぼんでいって、ちいさくなって、悲しくなって、こっそり声が出る。それは不意に出たほんとうにちいさいものだけど、彼はいつだってそれを見逃さずに、にっこり笑って空気を入れてくれる。僕の空気が増えて、また、体が軽くなってふわふわ浮かぶと、彼はまたにっこり笑ってそうっと表面を撫でてくれる。
「きみが凹んだら、僕の空気をあげる」
僕は体が軽くなって、嬉しくなって、軽目にだけど、精一杯のお礼を込めて彼の頭にぶつかりに行く。口が使えない僕は、行動でしか感謝を示せないのがいちばんの難点だ。






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