短編 | ナノ
恋人だから
代表に呼ばれないし、怪我もしたりで流石に落ち込む。
部屋に恋人の理乃ちゃんが居てくれてるのに。
「恭平くん、元気だしなよ」
「うあーー!!」
いつもは容赦ない理乃ちゃんが優しい言葉を掛けてくれる。
それが気持ちに拍車をかけたりする。
余計に情けなくなってくる。
それでも理乃ちゃんとは一緒に居たくて。
こんな状況をここ最近ずっと続けている。
「私が慰めてあげようか?」
普段の理乃ちゃんからは想像できない台詞。
珍しすぎて深読みしてしまう。
理乃ちゃんを見ると、にっこりと微笑まれた。
「恭平くんのして欲しいことしてあげるよ。何かある?」
一瞬エロイことが頭を過ったのは許して下さい。
なけなしの理性で必死に押さえつける。
「…ひざまくら」
「肩の怪我は大丈夫なの?」
「別に叩いたりしなければ痛くないから」
納得してくれた様子の理乃ちゃんが正座をする。
そして俺の方を見て膝をぽんぽんと叩いた。
「どうぞ」
今はその優しさに甘えることにした。
→ヒロイン視点