一言なのに長いのだから作文はなおさらだらだら、
そのてん手しごと感想お知らせはだいぶん短め。


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元日は手帳や日記の整理から始める我がならわし。
昨年のものはしまい、今年のものを開く。



恐らく過去最多の数。手帳のみならず紙は宝と思う私の家は本当によく燃えそうだ。
続き

170102 0053
一言、手帳


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6歳の誕生日、つまり12月31日。
プレゼントとして、ヘレン・ケラーの伝記マンガをもらった。
私はドラえもんなどの普通のマンガもさることながら、エジソンやファーブル、ライト兄弟らの伝記マンガも何だか無性に好きだった。だからヘレン・ケラーの伝記を誕生日プレゼントにというのも、私のかねてよりの要望。受けとった時はそれはもう大喜びし、紅白そっちのけでヘレン・ケラーの生涯をひたすら夢中でたどったことを、今でもよく憶えている。

さて、月日は一気に飛んで昨日のこと。
とある縁起物を扱うお店の中で、私は真剣に悩んでいた。
あまりそういったものに頼るタイプではないのだけれど、テキスタイルは可愛い。
それに、それぞれの柄にこめられた意味が改めてとにかく面白い。菖蒲は勝負に通じるとか、鳥は「(運などを)とりこむ」とか。日本語は、ことばは、本当に楽しい。
なのに、私は決められなかった。
何故なら、来年を思い描こうとしても、やりたいことも、なりたいものも、まったく見つからなかったのだ。
なら、いらないなあ。美しいものも華やかなものも私とは関係がないから。
そんな心境だった。

そこでふと、明日は誕生日だと気づき、そうして連鎖する様にヘレン・ケラーのことばが頭に浮かんだ。
「希望は人を成功に導く信仰です。希望がなければ、人は何事もなし得ません」
これは伝記マンガに書かれていたのではなく、もっとずっと後になって知ったことば。
成功をしたいわけじゃない。
でも、希望はどうだろう。
希望とは、つまり、元気か?
ああ、元気ならほしいなあ。
元気が、ほしい。

ほどよく鮮やかな朱の、千鳥の座布団に決めた。
千鳥は「千取り」。多くのものが手には入るようにとの祈願がこめられている。
でも私はひとつでいい。
元気だけあればいい。
のこり九百九十九は鳥になって、必要としている人のところにでも飛んでいってほしい。

2016年は、私の許容範囲を大きく超えて色々なことが続いた年となった。
端的に言うとくよくよしていたし、めそめそもしたし、いらいらしっぱなしだった。
それが明日になって2017年を迎えたらすべて変わるわけでは、絶対にないだろう。
でも、何というか、ことばはきっと支えになり続けてくれる。
もし、内側に閉じこめていないで、外に向けたなら。
書きことばでも話しことばでも、遺されたことばでも、他愛のないことばだって、私はやっぱり好きだし、私にとってのとっかかりみたいなものはそこにしかないのだろうという気がする。

以上、うまく言えないので下手に言ったが、元気になりたいと気づいただけで、こうやってことばがどんどん出てくるのだから、もう断言せざるを得ない。言霊は存在する。
今年はそんなこんなで黙っていることの方が多かったのだけれど、明日から、また少しずつことばにしていこうと思う。まず間違いなくくだらないことばたちを、それでも、少なくとも私だけは、不思議と、いとおしく。

161231 2358
一言


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季節の変わりめの中では、冬支度がいちばん好き。
寒い時期に向かうための準備のに、不思議とあたたかい気持ちになれる。

161116 1254
一言


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先日、とある人と話しをしていた折り、「何かに迷ったときは自分が正しいと思うことを選ぶべき」との言葉を向けられた。ちょっと迷ってからこう返した。
「そこは私の考え方とは違うな。私は、自分が損になる方を選ぶ」
相手を否定したつもりはないのだけれど、同意しなかったのも確かだ。
さて、「迷ったときは損をする方を選ぶ」、これは実はいつだか三浦綾子の短編小説で読んだセリフ。
大抵のことはいったん疑ってかかる私が珍しくあっさり納得してしまったため、考え方や行動の指針に取り入れている。
損をすることをあえて選ぶ、というそれだけで、もう圧倒的な自由が感じられてならない。選んだのだから。選べたのだから、それだけで、その後は何がどうなってもそれで良いのだと思える。
損を選んでから始まるものも多い。はたして本当にこれは損なのか?と首を傾げたり、視点を変えたり。
できれば自分が選んだ損にも意味があると思いたいから、けっこう必死になって自分を向き合わせることにもなる。
一見、損に見えることがもたらしてくれる豊かさ、たとえばそんな気づきの連続だと知る。
この方法が正しいかどうかは分からない。どちらかというと、正しいと思えるものを知るためのひとつの道なのだろう。
「迷ったら自分が正しいと思うことを選ぶ」と言ったあの人は、どんな過程を経てその正しさの基準にたどり着いたのかな。
本当はそんな話をこそしてみたい。
けれど、反論めいたことを言ってしまってから、もうその人と語らうことはできなくなってしまった。
これも、損を選んだことになるのかな。
なら、まあ、考えていこうか。この損が私をどう変えるか。
結局、自分の意志で選び動くという意味では同じことなんだと思うよと、そこまで伝えきるには、どうすべきだったか。
損の最大の良さは、先に期待や希望を持てることだろう。
正しさの確定的な強度は、実はそんな絶え間ない揺らぎに支えられている気もする。少なくともそうでない正しさを、いつも通り私は疑う。疑うことで抱える損に、少しわくわくしながら。

161018 0005
一言


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数日前に書いた通り、桜の木を折った。先週末のこと。
さすがに自力では不可能なので身内に頼み、様子をながめていた。
根に行くほどひどく硬くて、皮の下ははっとするようなあざやかな緑で、何か言葉にならないほどの強い意志を感じた気がした。生きたがっている。
切り倒した後、塩を持ってくるように言われた。念のためにね、と。
お弔い、鎮魂、浄化、そんな意味あいがあるのだろう。
私にはとても至らない所作だと、その人の年の功にも改めて頭が下がる思いだった。

161017 0217
一言


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