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Short Short Log

01.花が綺麗だって思ってたけど、君がきれいな事に比べたら花なんか屑だ。って言ったら頬ぶたれたんだけど、なんでだと思う?

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「…馬っ鹿じゃないの?」
突然やって来て何の脈絡も無く相談(多分)を持ちかけてきた男に対し、ライムはこの上なく不快気に顔を顰めて、容赦無くそう吐き捨てた。
「だって、本当にそう思ったんだよ」
その言葉に少しだけしゅんとして、不満そうに口を尖らせて、ジェームズはぽつりとつぶやいた。
「なら本当に救い様が無いわね、ジェームズ。貴方どれだけ褒めるのが下手なのよ。第一、リリーの名前も花じゃない。貶めてどうするの」
「、そんなつもりじゃ無かったんだよ!!」
「でしょうね。残念ながらリリーには伝わらなかったみたいだけど」
「酷いよ…!こういう時はもっと優しく慰めるものじゃないのかい?!」
「ジェームズの場合は自業自得よ。日頃の行いが悪過ぎるからこういう事になるの」
「日頃の行い…?」
「そうよ。貴方昨日も騒ぎを起こしていたじゃない。あの時のリリーの貴方を見る目と言ったら…」
「僕に見惚れていた?」
「ごめん。私が間違ってた。聞く迄もなくジェームズは大馬鹿だったね」
「、そんな!」
ああ、酷い!と大袈裟な身振りで抗議し続けるジェームズの言葉はもう耳には入らない。

───馬鹿なジェームズ。
頭はいいのに、こんな簡単な事だけわからない。
でもそんなやつを好きな私は、本当に救い様のない馬鹿だ。

(ジェームズ/title by 揺らぎ)
ジェームズに片想いする女の子


 

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