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ねえ恋を始めてみようよ



黒瀬湊は進学校・椚ヶ丘中学校の三年生である。進学校と言えば聞こえはいいかもしれないが、湊は最低のクラスであるE組の生徒になってしまったのだった。だが両親は特に何とも言わなかった。近所で料理を教わっている女性二人からはモンペアまがいのことをされそうになったので阻止したくらいで。
それから春に担任に月を爆破した超生物が買って出たのだが、そこは割愛するとして。

問題は今それではないのだから。

「湊ひっさしぶりー」

そう笑う赤い髪をした少年・赤羽カルマはいかにも嬉しそうだった。いちご煮オレと書かれたパックを片手に、呆然としている湊へ話しかける。

「えっと、誰君だっけ?あ、赤羽君?」

だがあえて湊はそっけなく返す。理由はただ単純、目立ちたくないからである。
顔は普通、成績はまあ文系科目ならよし、趣味は俗に言うオタクと呼ばれても何ら遜色のないもので、つまりはどこにでもいる少女なわけである。対してカルマは日本人らしくない赤い髪に赤い瞳、イケメンと称される整った顔立ちに成績優秀、ただし思考回路が変。
そんな奴関わりたくないというのが湊の本音である。

「何そんな他人行儀なわけ?一緒にちゅーした仲じゃん」

カルマの問題発言にクラスメイトがざわつきはじめる。注目された湊は顔を真っ赤にして全否定した。

「む、黒瀬さんカルマ君不純な付き合いはいけませんねえ」

殺せんせーは蝕手でめっ、と叱りつける。相変わらずギャグにしか思えない。が、今は論点が違う。

「違います違います違いますこいつがただ自分で飲んだいちご煮オレ飲ませてきただけです」

「ならいいのですが」

いいのかよ。突っ込もうとしたが、この先生に突っ込んでいるといつまでも終わらないのでやめておく。それより今はカルマだ。

「えーあのときめっちゃ照れてたじゃん、キスしたみたいに」

「うるせええええ恋愛レベル1の私間接でもしたことあると思ってんのか!」

「全然」

「こいつ殺したい」

あっさりと答えるカルマへ湊は睨みつけるが全く効いていないようだった。あくまでも飄々とした態度を変えず、くすくすと笑う。

「殺ってみればー?俺はその前に湊を落とすから」

「殺せんせー、こいつ殺る方法教えてください」

湊からしてみれば大真面目だが傍から見れば危ない発言である。それに対し殺せんせーは特に突っ込むこともなくしばし考えたフリをし返事をした。

「そうですねぇ、まずは黒瀬さんは数学をどうにかしてからにしましょう」

「うえっ」

苦々しい表情になり、さらにカルマが湊を指差して笑った。瞬時に反応してまた睨みつける。

「赤羽、一発殴らせろッ!!」

「あはは、やだ」

――――これは、恋を知らぬ少女の精神を正しく治す少年とのお話。



タイトルを無理矢理意味付してみました←
でも加筆しただけであんまりベースは変わっていなかったりするのだ!
こんな感じでちょいちょい直します。