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kobakoまとめ *2023.1月号
・ほぼ魔族長と部下夢主(+たまにリザル)の会話文です。
・時系列等々バラバラ
・series設定の話も含まれています。


▼寝正月長

「あけましておめでとうございますです、マスター」
「…………」
「あれ、ご機嫌斜め、ですか……?」
「……主人を放って勝手に寝床を抜け出すなんて、よほど躾をされたいらしいね?」
「ち、違うんです! 今年は朝日を見に行きたいなと思って!」
「そんなもの、大地で見られるわけがないだろう?」
「たしかに全くと言っていいほど見えませんでしたけど……!」
「チッ、お前はいつまでも馬鹿部下のままなんだね。……ほら、とっととこっちに来い」
「こっちって……え、マスター、まだお布団から出ないつもりですか?」
「何か文句でも?」
「い、いや、ございません。……もうすぐお昼ですけど……」

▼こたつ主従

「……えへへへ」
「気色の悪い笑い方をするな」
「こうしてマスターと一緒にのんびり出来て幸せだなぁと思いまして」
「単純だね。ただの机だろう」
「そうですけど、入ってるだけで幸せになれますよ、この机。“おこた”って命名しましょう」
「センスのかけらもない。……けれど、否定もしないであげようか」
「ありがとうございます。……それにしても、マスターと同じ空間に足を突っ込んでるって考えると……ふへへへ」
「……調子に乗るな」
「ひ! あ、足だけで技かけないでくださ、うぎゃう!!」

▼心臓的なものに悪い

「マスターマスター」
「……何」
「(ちゅ」
「!?」
「たまには初心に戻ってほっぺにちゅーです」
「…………」
「……あれ、マスター?」
「……お前は主人の尊き命が失われても構わないというのかな?」
「え、死んじゃいかけてたんですか、今……!?」

▼今年もでっかいレムリー

「あけましておめでとう、今年も頼れる先輩でいてください、リザルさん」
「いきなり何だよその挨拶は……。まァ、ヨロシク」
「さすがリザル……」
「ンあ? なンだよ」
「魔物の子たちに一通り挨拶してきたけど、『何言ってんだコイツ』って反応しかされなかったから……新鮮で……」
「そりャそーだろーよ、魔物にとっちゃ年が変わろうが何だろうが関係ねェからな」
「そうだよねぇ……、マスターはマスターで寒いからお部屋に引きこもってるし……」
「引きこもってるッて、お嬢ナシでか? 珍しいナ」
「……あんまりにも外に出そうとしてくれないから、熟睡してる時を狙って脱出してきたの。そろそろ戻らないとまたご機嫌斜めになっちゃう」
「……さながら子育てダナ」

▼脱がせたいだけ

「(ずりっ」
「ぎゃあ!!」
「…………」
「な、なんでパンツ脱がせたんですか……!? したいんですか……!?」
「……別に」
「な、何なんですか……(はきはき」
「…………」
「…………」
「(ずりっっ」
「うぎゃあ!!」
「…………」
「だから、何で脱がすんですか!!」
「…………フ」
「何を楽しんでるんですか……!?」

▼やつあたりしたかっただけ

「マスター、おかえりなさい」
「……ん」
「シャワーにしますか? オネムにしますか? それとも、」
「馬鹿部下」
「私、なわけな……へ?」
「馬鹿部下」
「わた、わたわた、私、ですか?」
「馬、鹿、部、下」
「…………こんなに嬉しい『馬鹿部下』、人生で始めてかもしれません」
「……どうでもいいからとっとと噛ませろ」

▼構って欲しがり長

「じゃ、野営の準備しますね」
「……ん」
「火を焚くのはここでいいかな……さっき集めた枯木組んで、と……」
「…………(つんつん」
「火の魔石出して……、ん、何ですか?」
「……別に」
「? はい。……えっと、うん、火ついた。後はご飯の準備……」
「…………(つんつんつん」
「……なんで私のうなじずっとつんつんしてるんですか?」
「…………別に」
「……ちゅーします?」
「……、…………する」

▼日頃の行いの結果

「リシャナ」
「はい」
「…………可愛い」
「────、」
「……何故自分の頬を摘んでいるのかな」
「……えっと、これは夢なのかなと思いまして。でも痛いので、たぶんまた幻覚を見せられてるんですね、私」
「………………(がぶ」
「んぎゃい!! ごめんなさい現実ですね!!」

▼吊り橋逆効果

「ま、ます、ますた、手、手を貸して、ください……!!」
「却下」
「なんでですか!! ていうかこの今にも崩れそうな吊り橋の上で何で安定して立ってられるんですか!? 飛んでるんですか!?」
「ッハ! このワタシにかかれば、世界のバランスというものを掌握することくらい造作もないことだよ」
「シンプルに意味がわかりません!! とりあえず、お願いですから、その綺麗な手を、お貸しください……!!」
「却下。……ほぉら、こうして揺らしてあげると、もっとイイ声をあげられるよねぇ……?」
「マスターの鬼ッ……!!」

▼お背中舐め回されます

「……(ツーっ」
「ひん!?」
「…………(ツツーっ」
「ま、マスター、背中ツーって、くすぐった、」
「…………(ぺろ」
「ひ!?」
「…………(じゅ」
「ひゃう! な、何で背中、吸ってるんですか……!?」
「……こうして背中ばかりを攻めてあげたら、それだけでイけるようになると思ってね?」
「お、恐ろしすぎませんか、その試み……!?」

▼嘘でも言えなかったやつ

「……もう、マスター嫌いです」
「……は?」
「…………」
「…………」
「────」
「────」
「…………やっぱり大好きです」
「ッフン!! 知っているともッ!!」

▼防御力皆無の服着てるから

「マスターマスター」
「……何」
「こしょこしょこしょーっ」
「………………」
「……すみませんでし、」
「勃った」
「!!?」

▼いろいろ思い出したから

「…………(じっ」
「……マスター、何でずっと私の顔見てるんですか?」
「……お前の唇を見ているだけだよ」
「な、何でですか……?」
「…………勃った」
「!!?!?」

▼お天気れーだーってやつ

「……ん、雨の予感」
「ンあ? そーなのか? たしかに曇ってはいるケドよ」
「うん。たぶん西から雨雲が来てる。風が湿気ってる」
「へー、お嬢にしちゃ意外ダナ。そーゆー勘があるッてのはよ」
「ふふん。……って胸張りたいところなんだけど、空に住んでる人間はみんな小さい時から風の感じ方を教わるからわかるんだよね。……私にはあんまり意味がなかったけど」
「ふーン。ま、便利じゃねェの。旅先なンかではよ」
「うん、便利。……特にマスターといる時は雨が降ると激烈に機嫌が悪くなるから、事前対策が出来るし」
「……苦労が滲み出てンな」

▼魔族的発想
〜無双世界線

「……むん、偵察兵がワタシを探しているようだね」
「あれ、そうなんですか?」
「仕方がない。面倒だが、迂回をして敵将のもとへ乗り込むよ」
「御意です。……でも、マスター」
「何」
「逆に見つかりに行って、消しちゃった方が手っ取り早いかなとも思いました」
「…………」
「あれ、無反応です……?」
「……いや、少し感慨深くなってね」
「へ? わ、私、そんなに変なこと言いました……?」

▼屁理屈言い合う余裕もない寒さ

「…………クソ寒ぃ」
「……マスター、素出てるどころかかつてなくお口が悪くなってます」
「うるせぇよ。こんな気温で平静が保てるわけがねぇだろ。犯すぞ」
「犯すために服脱いだらもっと寒くなりますよ。……とりあえず、も少し魔石焚きますね」
「チッ……」
「えーと、あとは……はい」
「……は?」
「私が体を張って、マスターをあっためます」
「────」
「……なーんて、素直に私のお部屋からお布団持っ、」
「(ガバッ」
「へ」
「……(ぎゅう」
「ま、マスター、そんな、いきなり、抱きしめられたら、寿命縮まり、ましゅよ……?」
「……お前が言ったんだろ。大人しくしてろ」
「ひゃい……」

▼耐久抱き枕

「ま、マスター……」
「……何」
「もうかれこれ、三時間はぎゅーされたままだと思うのですが、ご満足はして、」
「してねぇ」
「ううう……体が固まってきました……」
「……リシャナ」
「は、はい」
「………………好き」
「へ!!?」
「だから大人しく身を捧げてろ」
「はい…………」

▼自分にないものだから気になっちゃった

「リシャナ」
「はい」
「目を閉じろ」
「は、はい(ちゅーかな……)」
「…………」
「…………」
「…………(さわさわ」
「……、……へ、何で今私のまつげ触ったんですか」
「……別に」
「??」

▼魔族長肌

「……(ぴと」
「……何」
「冬は人肌が恋しいってよく言うので、くっついてみようかなって」
「意味がわからない。お前たち人間は本当に愚かなことばかり考えるんだね?」
「……じゃあ、離れます」
「駄目に決まっているだろう。ほぉら、全身を使ってワタシを温めるんだよ」
「ひ!? ま、ますた、そんなところに指這わせちゃダメです!!」

▼かま長

「リザル、今日はこの辺で野宿でいい?」
「ンあ? 別にいーケドよ。結構寝づらくねェか? この岩場」
「大丈夫大丈夫。敵に襲われづらい場所だし。それに私、こういうところでも寝られるし」
「へー。人間ッてのはお綺麗な寝床じゃねェと寝られねェモンだと思ってた」
「……私の場合、眠い時にどこかの魔族長様がちょっかい出し続けてくるから慣れちゃっただけなんだけどね」
「あー、ご苦労なこッて」

▼鼻息目覚まし

「ふぁ……」
「ンだよお嬢、寝不足か?」
「んー、最近なんだか寝付きが悪くて」
「どーせ夜更けまで飼い主サマのお相手してッからだろ」
「それもすごくあるんだけど……」
「違ェのか?」
「……寒いから、マスターが私を全力で抱いて寝るんだけど、楽しい夢見てるからか寝ながらフンフン言ってて、ちょっと可愛いなって思って……寝られない」
「ンあー、聞いた俺が馬鹿だった」

▼真相は夢の中

「マスター、朝ですよ」
「…………」
「(今日も起きない……)」
「…………」
「マスター、起きないとほっぺたぷにぷにしちゃいますよ」
「…………、」
「(あ、起き、)」
「や」
「え?」
「…………すぅ」
「(え、もしかして今のって嫌の“や”……?)」

▼はじめてのかんびょう

「ッフゥン!! 君たちのような雑魚が、魔族長であるこのワタシに敵うはずがないだろう? この美貌を目に焼き付けて逝ける幸せを噛み締めるがいいよ!!」
「…………」
「さあ、リシャナ。とっととこの湿った空間を出て──、」
「……あい…………」
「……リシャナ?」
「マスターが、三人に見えます……」
「は……?」
「ここが、楽園です、か…………(パタリ」
「!?」
「ふや……マスター……おかわり、です……」
「支離滅裂……なのは普段と変わらないとして、何が起きてるんだ、おい、リシャナ……ッ!」



「………………」
「……えと、そンで、お嬢が倒れたと」
「………………」
「たぶン、フツーの風邪ッすね」
「………………」
「あー、えーと……、何日かゆっくり寝かせときゃ、良くなりますよ」
「………………」
「それか、森にある薬草でも煎じて飲ませるか、ッすね」
「………………(ぴく」
「(反応した……)封印の地の近くにも生えてるッすよ。人間に効くのかどうかはわかンねッすケド」
「…………わかった」

「行っちまった……」
「……リザル」
「ンあ、起きたか、お嬢」
「……マスターは?」
「ついさっきまでお前のこと無表情でじっと見てたケド、薬草の話したらどっか行ったぞ」
「そう、なんだ……」
「俺の所感だが、めちゃくちゃ焦ってたぞ。あの人」
「うー……申し訳ない……」
「ま、たまには心配させとけ。そンで、お嬢はお嬢で休んで早く復帰しろ」
「あい……」



「リザルはああ言ってたけど、マスター、帰って来ないな……。薬草探しに行くって言ってたけど、本当に行ったのかな……」
「──(バァン!」
「!!?」
「…………」
「ま、マスター、おかえり、なさい……」
「……なぜ起きている」
「は、はい?」
「何故寝ずに起きている」
「え、えーと、たまたま目が覚めちゃって……」
「寝ろ。今、すぐに」
「へ、え、マスター、あの……」
「今、すぐに、寝ろ。……でないと、二度と目が覚めない体にしてやる……!」
「わ、わかりましたッ! わかりましたから!! 言ってることめちゃくちゃになってますマスター!!」



「────」
「────」
「(ね、寝ようとはしてみるものの、マスターの圧を感じすぎて、寝られない……!)」
「リシャナ」
「ひゃい!?」
「……まだ眠っていないようだね」
「ご、ごめんなさい! なんだか、変に目が覚めちゃって……!」
「…………それなら」
「へ」
「こうして、横でこのワタシが眠ってあげれば、嫌でも深い眠りにつくよね? ……もう二度と目覚めないほどに」
「で、出来れば目は覚ましたいな……。……でも、」
「……何」
「あったかくて、優しくて、幸せです。早く元気になりますね、マスター」
「……フン」



「……ん、」
「────、」
「おはようございます、マスター」
「……間抜けな顔」
「寝起きの時はみんな間抜け顔なんです。……たくさん寝られました。ありがとうございます、マスター」
「フン」
「まだちょっとだけホワホワしますけど、だいぶスッキリし……あれ?」
「……何」
「ここに置いてあるホカホカのスープ、何ですか?」
「…………」
「え、どうしたんですか」
「このワタシが愚かな馬鹿部下のために手をかけてあげたのに、何とは随分無礼なことだね?」
「え。……へ!? マスターが作ったんですかこれ!!?」
「だったら何」
「い、いや、えと、あの……、……いただいても、よろしいでしょうか」
「……このワタシの美しさを胸に刻み込みながら口にするんだね」
「は、はい……喜んで……」



「ごちそうさまでした」
「……フン」
「(薬草が入ってたみたいだけど……すごく食べやすかったな……マスター、私より料理上手いのかもしれない……)」
「…………何」
「あ……いえ、何でも。それよりマスター、あっち見てみてください」
「は……?」
「………(ちゅ」
「!」
「……元気になりましたのちゅーです」
「────ッッ」
「……あれ」
「──、──、────」
「ま、マスター……?」
「……この、馬鹿部下……快復した時は……覚悟、しておけ…………!!」
「(すごく耐えてる……)」

▼うれしい!

「──そんなわけで、部下リシャナ、復か、ぅぎゃい!!」
「ッフン!」
「な、なんで、デコピン……!?」
「そんなもの、このワタシに散々手間をかけさせた罰に決まっているだろう? 当然、こんなものでは済まないということはわかっているよねぇ……?」
「わかってますけど、わかりたくないです……!!」
「なら、お前が本物の犬に成り下がるまでたっぷりとわからせてあげようじゃないか。ほぉら、四つん這いになってご主人様におねだりをしてみせろ、馬鹿犬! たっぷりと可愛がってあげようじゃないか!!」


「……エ、あれッて拷問してるんじゃないんすか?」
「ありャ喜ンでるだけダナ。お嬢は死にかけてるが」
「さすがリザルの兄貴、そんなことまでわかるんすね!」
「ンあー……わかっても何も得しねェンだよな……」



次回もお楽しみに!