kobako


kobako

文になりきらない会話文や雑多文を投下する箱です。ほぼ日更新。
頭弱めな話や下ネタ等多くなります注意。追記(エログロネタ)のパスはメインと共通。夢主はデフォ名、基本はseries設定です。

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2024/05/12

 リザルの片想い? そのに

「──そんなわけで、お前は明日一日、リザルの行動を見張っておくといい」
「……? マスターはどうするんですか?」
「フ、当然……ワタシはワタシだけの空間で、愛する部下が帰ってくるのを今か今かと待ち侘びているよ」
「……結局実際に動くのは私だけなんですね」

 *

「(まあ、見張ると言ってもこうしてリザルとお仕事してる時が多いから、普段通り過ごして様子を伺っていればいいはずなんだけど)」
「…………」
「…………」
「(な、なんか、何故か気まずい沈黙……!)」
「…………」
「(意識しすぎなのもあるけど、普段リザルとこんなに静かに作業することなんてないはずなのに……)」
「…………」
「(もしかして……全く心当たりないけど、私、リザルに何かしちゃったのかな……)」
「…………、」
「(だとしたらどうしよう……。先に謝った方がいいのかな、でも、)」
「……お嬢」
「ひゃい!? ごめんなさい!!?」
「はァ? 何だソレ。……とりあえず、早くそこから逃げねェとプチガットに挟まれンぞ」
「へ……い、いぎゃぁいッ!!? 何でぇ!?」
「……俺の顔見て百面相してッからじゃね?」 
category:魔族部下ズ



2024/05/11

 リザルの片想い? そのいち

「で、ここにこの部隊を配置したらこっちに隙が出来ちゃうから、トカゲ族の子たちにお願いしたいんだけど」
「……あー」
「……? リザル?」
「ンあ、悪ィ。そこに配置な。わかった」
「う、うん。……何か、具合悪い?」
「ンにャ、少しボーッとしてただけだ。気にすンな」
「……??」

 *

「……え、リザルが?」
「そうなんデス。リザルの兄貴、最近上の空みたいで。こないだも危うく怪我しちまうとこだったんす」
「そうなんだ……。……たしかに何か考え事してる雰囲気はあるんだけど、思い当たること、ある?」
「さぁ……。リザルの兄貴、俺らには自分のこと滅多に話さないからなぁ」
「だよねぇ……」

 *

「……というわけなんですけど」
「……それをワタシに伝えて、お前は何がしたいと言うのかな?」
「何か思い当たることないか、聞きたくて」
「ハッ、このワタシが下位の者どもの思考などに興味が湧くわけがないだろう」
「ですよねぇ……うーん……」
「ただ」
「?」
「それを今から調べるというのなら、ワタシも協力をしようじゃないか」
「え」
「不躾な顔をするものだね。尊い部下の面白そ……尊き悩みならば、このワタシが長として耳を傾けるべきだろう?」
「(“野次馬”って言ったら一気に不機嫌になるんだろうな……)」
「……何か、文句でも?」
「い、いえ……ご協力感謝いたします……」 
category:魔族部下ズ



2024/05/10

 月夜にて

「…………」
「……間抜け面」
「む……外の景色眺めてただけじゃないですか」
「このワタシの膝に乗って贅沢な時間を過ごしているというのに、他のものにうつつを抜かすなんてね?」
「抜かしてないですよー。……こうして夜になるとよくわかるんですけど、だいぶ空の雲、薄くなったなって思って」
「…………、」
「空の封印が解けてきて、雲海が薄くなっていって、最後には月明かりが大地を明るく照らして。きっと、それが世界にとっては望まれた光景なんでしょうけど……」
「……ふむ」
「いつか大地で月を見上げる時のことを考えると。……やっぱりちょっとだけ、胸がザワザワしちゃいます」
「フン。……本音は?」
「……。……出来ることなら、月を見る時はマスターと一緒がいいって。……そう思います」
「……そう」
「……言わせておいて、すごく塩対応」
「フ、不満があるなら、最初から取り繕わずに素直に話せば良かったんだ」
「……それも、そうですね」 
category:主従



2024/05/09

 もう一人いる 完

「……あれはたしか、蒸し暑い夜だったな」
「…………」
「魔物どもへ作戦の指示出しを済ませて拠点を歩いてた時、変な音が聞こえたンだよ。気のせいって思うには聞き慣れない奇妙な音でな」
「…………」
「侵入者だったら面倒だかンな、その音が聞こえる場所を探して歩いてたンだよ。着いたのは……ギラヒム様の部屋の前だった」
「…………、」
「そこでいろいろ察して、引き返そうと思ったンだよ。中でお嬢が何されてようが、興味もないかンな」
「…………ないんだ……」
「だがな、引き返そうとした俺の足はすぐに止まったンだ。……中から聞こえてくる音に、違和感があってな」
「……え」
「それは金属音だった。音の高さからしてたぶン短刀だと思ってな。……ないとは思うが、ほンの少し敵襲の予感もしたンだよ」
「…………」
「ンでもう一個気づいた。……部屋の扉が少し開いてるッてことに」
「…………」
「だから、一瞬だけ中を覗いたンだよ。……そこにあったのは、」
「────」
「──すげェ幸せそうな顔で短刀に舌なめずりをしながら、全裸で爆睡してるお嬢を眺める、ギラヒム様の姿だった」
「…………え」
「ふむ」
「……以上」
「いやあのえっと……一応聞きますけど、マスターはそこで何を……」
「フッ……知りたい、か?」
「……やっぱいいです」
「いいのかよ」
「すんごく気になるけど一旦置いておくとして……。……あの、たぶん、リザルにとっては怖いかもだけど幽霊さんにとってはこの話って怖くないんじゃ……って、あれ?」
「…………」
「…………」
「……いなくなって、ます?」
「ダナ」
「そのようだね」
「何でですかッ!? 今のは這い出てくる幽霊よりも怖かったんですか!? いや怖いですけど!!」
「怖ェだろ。どう考えても」
「ッフゥン、違いないね? 無理もないよ。このワタシの一挙一動は他者から語られる事実のみを鑑みたとしても……底知れぬ恐怖を抱いてしまうほどに、美しいからね?」
「……らしいぞ」
「……もう、それでいいです」 
category:主従



2024/05/08

 後日談 メモリーオブ騎士学校_せんせいと手作り野菜

〜数年後。フィローネの森にて。

「キュー、へんな姉ちゃん、その草食べるキュ?」
「あ、うん。食べるというより薬にして飲むんだけど、まずかった?」
「まずくないキュ。でも不味いキュ。すごーく苦いんだキュ」
「あ、なるほどね。それなら大丈夫」
「キュ? 姉ちゃん、葉っぱが大好きキュ?」
「あはは、ちょっと語弊あるけど……にがーい葉っぱは小さい時にたくさん食べたから全然平気になったんだ」
「キュー。へんな姉ちゃん、葉っぱ好きなんだキュ。じゃあ今度、オイラたちの好物、あげるキュ」
「あー……ありがたいけど、人間でも食べられる葉っぱだと嬉しいかな……?」
「大丈夫キュ。森の虫たちも大好きキュ」
「…………そっか。(ううん、気持ちはありがたいけど食べたらものすごくマスターに馬鹿にされそうな予感……)」 
category:その他



2024/05/07

 メモリーオブ騎士学校_せんせいと手作り野菜

「……ぁ"ー」
「……口、開いてるぞ」
「知ってる……」
「苦手なら、無理せず食べなくてもいいんだぞ。わざわざ私が作ったものを食べずとも、食堂でなら苦くない野菜も食べられるだろう」
「やだ。せんせいの野菜を食べるの。アウールせんせいの野菜を」
「何の意地なんだ……。ありがたくはあるけれど、無茶はするなよ」
「してないもん。美味しく食べてるもん。…………(ぱく」
「…………」
「…………ぁ"ー……」
「ふう……。今度、その野菜に合った調味料でも作ってみるよ」
「ううう……お子ちゃま味覚が悔しい……」




閑話休題ひさびさスカイロフト 
category:スカイロフト



2024/05/06

 もう一人いる そのご

「いや、そンで何で俺なンだよ……」
「その……私たちじゃマトモな怖い話が出来ないってことがわかってしまいまして……。常識人のリザル先輩ならお話いただけるかなと思い……」
「常識人だったら怖い話が出来る理屈がわかンねェよ」
「そんなことより馬鹿部下。今の口振りだと、まるでこのワタシに常識がないと聞こえるけれど?」
「……マスターに常識があったことなんて今まで一度も、ッたぁ!!」
「ッフン。まあ、このワタシの美しさが常識という範疇を逸脱していることは間違いないけれどね?」
「あ、足、ちょっと床に沈んだ……!」
「はァ……お前ら真面目に解決する気あンのかよ……」
「大アリです! だって、」
『怖い話がしたい』
「ほら、こんなやりとり見せられてもずっと付き纏ってくるし……すごく根気があるみたいで……」
「若干感化されてンじゃねェかよ……」
 
category:主従



2024/05/05

 もう一人いる そのよん

「──あれは確か、嵐の夜だった」
「…………」
「不意に眠りから目覚めたワタシは自室から出て何気なく廊下へと出た。理由はなかった。美しき心が見せる彩りに導かれた、それだけのこと」
「……??」
「そこでふと気づいたんだ。廊下の奥が妙に暗い。日常で見る夜の光景よりも、さらに濃く、深くね」
「…………」
「普段ならばそんなものに興味は湧かないけれど、その日のワタシはそちらへ向かって足を進めた。何かがあると思ったわけではなく、その暗闇に誘われるように、ね」
「…………」
「奥に進めば進むほど暗闇は質量を増した。、途中でワタシは気づいたよ。……この先に何かがいる、とね」
「…………、」
「やがて廊下の突き当たりにたどり着き──ついにワタシは、見た」
「…………っ、」
「突き当たりの床。そこには馬鹿部下の下着が落ちていて……その傍らに、首のない人間の兵士が佇んでいた」
「!! ……。……? え、はい?」
「身につけた防具を見る限り、そいつはかつてこの拠点を使っていたハイリア兵の霊だったようでね。特に何をする訳でもなく、廊下の隅に佇んでいたよ。陰気な上に目障りなことこの上なかったが、わざわざそんなものにこのワタシの魔力を使うのも業腹だからね。それは放ったままとっとと部屋に帰り、ワタシは再び眠りの世界へと舞い戻ったよ」
「ちょ、あの、マスター、ツッコミが、追いつかないんですけどッ!!」
「ッハ! お前があれだけ騒ぐからわざわざこのワタシが話をしてあげたというのに、何を突っ込むことがあると言うのかな?」
「何をっていうかほぼ全部です!! とりあえず一番はなんで私の下着が廊下に落ちてるんですか!?」
「フゥン、そんなもの。ワタシの所有物がワタシの所有している建物に落ちていた。……何もおかしなことはないじゃないか」
「おかしなことだらけですよッ!!」
『……怖い話がし、』
「ちょっと今取り込み中なので幽霊さんは黙ってて下さいッ!!」
『…………』




いつものことですがkobakoはノープランでキャラを喋らせてるのでどう着地するのか自分でもわかりません 
category:主従



2024/05/04

 もう一人いる そのさん

「──それは、私がまだ空の世界にいた頃のお話です」
「…………」
「深夜、外への脱走を終えた私は意気揚々と騎士学校へと帰ってきました。その日は新しい抜け道を発見してとっても良い気分だったので、そのままお部屋に帰って寝ようと思ったのですが」
「…………」
「寄宿生の部屋がない方角……教室が並ぶ廊下の方から、誰かの声が聞こえた気がしたんです。普段なら声の主に見つからないよう逃げていたのですが、その声はとても苦しそうに聞こえました」
「…………、」
「誰かが倒れているのかもしれない。善意……というより好奇心に導かれた私は、声の方へと向かったのです。声の出どころは、廊下の片隅にあるお手洗いでした」
「…………」
「そこで私は、見たのです」
「…………」
「──便器の中から手が伸びて、黒くて長い髪の女の人が、這い出ているところをッ!!」
「…………」
「……どうでしたか?」
「……不潔極まりない」
「えっと、それはそうなんですけど……、ていうかマスターじゃなくて、」
『怖い話がしたい』
「もう!! やっぱり私なんかの話じゃ満足してくれないじゃないですか!!」
「五月蝿い。幼い頃のお前の感性が絶望的なのが悪い」
「なんで怖い話しただけでこんなに貶されるんですか……!?」 
category:主従



2024/05/03

 もう一人いる そのに

「……ところで」
「はい?」
「……随分大人しいものじゃないか。面白みのない」
「あ、幽霊さんがいるのにですか? まぁ……初めてじゃないですし、なんだか慣れちゃって」
「なら、そのまま放っておけばいいだろう」
「いいかもしれないですけど……」
『怖い話がしたい』
「ほら、したいみたいですよ、怖い話」
「……チッ」
「このままだと私たちが眠る時にもしたいって言ってきそうですし、ね?」
「…………面倒なことこの上ない」
『怖い話がしたい』
「……何の未練があってお亡くなりになった幽霊さんなんですかねぇ」
「知るか」 
category:主従